表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我ら救世傭兵団!  作者: zionPoP
67/225

第二の刺客5

 ウィンと急いでリーの所へと向かう。

 あのポンコツを回収してから、救命ボートで脱出する作戦だ。

 せっかく手に入れた報酬を手放すのは惜しいが、ここで捕まるわけにはいかない。


「それにしても薄情な奴だな、お前は」


 走りながらウィンがおかしなことを言ってくる。


「あん? あいつらにはちゃんと助言しただろ。後はもう知らねーよ」


「ふっ」


 ふっ、じゃねーよ!

 こいつだって同じなくせに、何格好付けてやがんだ?

 まあ、さしずめルマンのことでも惜しんでやがるんだろうが、こうやって一緒に逃げている以上、結局こいつも自分優先なのに変わりはない。


「――お前、スイーツというものを知ってるか?」


 突然、意味不明な質問をしてくるウィンを横目に、俺は目を細めるだけで答える。


「知らないだろうな。甘い菓子の総称で大変美味らしい。何でも、ウールでは食後にこのスイーツというものを食べるらしいんだ」


「だからなんだってんだよ? お前ピンチ過ぎてイカれちまったのか?」


「違う……ディーをそれで釣るというのはどうだろうか?」


 ちょうどリーがいる船室の前で、俺たちは足を止めた。

 食い物で釣るなんていう発想は、普通、動物か子供相手にしか思い浮かばないが、――ディーは別だ。あいつなら、その手に乗ってくる可能性は十分にある……。


「悪くねえ手だ……悪くねえが、あいつの生真面目さを考えると、食欲だけじゃ不安だな」


「それなんだが、その生真面目さを逆手に取るというのはどうだ?」


「てめえ、何考えてやがる?」


 自分の頭の中が読めない俺に優越感を抱いたのか、ウィンはいつもの様にふっと笑い、


「後は僕に任せてくれ。それには何としてでもリーを復活させる必要がある」


 と言って、部屋のドアを開けた。


「ころころころころころころころ……」


 さっきと同じ場所で、同じ様に頭を抱えてころころ呟いているリーを見て、ウィンは腕を組む。


「もう本気でぶん殴っちまおうぜ。衝撃で元に戻んじゃね?」


「……いや、それはだめだ。しかし衝撃か……はっ!? そうだ!」


 何かが閃いたらしいウィンが部屋を出て戻ってくると、その手には水の入ったバケツが握られていた。

 そして――、一気にリーの頭の上でバケツをひっくり返し、手で頭を揉みくちゃにする。


「ころころころころころころッ!? ふぉーーーーーーーっ!!!」


 突然、リーは立ち上がり、ペタペタと頭を触りながら、鏡の前に移動し、


「ふぉあっ!? ふぉううううう~。ふぉううううう~」


 と情けない奇声を上げながら、髪型を直し始める。


「……やっぱりね。リーは髪型を死ぬほど気にしているから、もしやと思ったんだ」


 いや、もしやと思わねえだろう、普通……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ