港街ライオット15
残念だが、ミュウたちの父親は既に殺されてしまったらしい。
クライアントの要望に応えられない以上、何か別のことで穴埋めしなければならないだろう。
とはいえ、目の前のこいつらを殺してミュウとラダの溜飲が下がるとも思えない……。
「なぜ嘘だと思うのだ?」
パームカンパニーの幹部らしきおっさんが、そんな質問を投げかけてくる。
「直観だ。昔拷問やり過ぎたせいで嘘吐きはすぐに見抜けるんだよ。ってか、その質問してる時点でおっさんがそれを裏付けてくれてんだけどな」
「拷問か……なるほど。ところで、貴様はかなりの手練れと見受けるが、誰に雇われている?」
考え事してんだから、話しかけてくんじゃねーよ。
「あん? 雇われてなんかねーよ。俺が社長だからな」
「社長……だと」
なぜかわからないが、有難いことにおっさんはそう呟いて口を噤んだ。
さて、どうするか。
ミュウに事実を伝えるのはいいとして、助けてやれなかった代わりをどうするか、だが……。
「貴様! この状況下で我々をナメるのも大概にしておけ! あれ程のことを――後ろ盾もなく……!?」
あいつらは貧乏だからな。
儲けの半分とかが妥当か……。
「な、何なんだ……まさか貴様もヌーロン……」
うーん。
だけど、半分ってのはやり過ぎな気もする。っていうか、あれ全部売ったらいくらぐらいになんだろう。
「お、おいっ! ま、待て……どの道お前らに逃げ場はない! 積み荷を返すっていうなら貴様らを逃がしてやっても良い……おい、聞いてるのか?」
「え?」
おっさん以外の奴を気絶させていたら、いつの間にかおっさんが膝を突いて掌をこっちに向けている。
「今なら逃がしてやる。だから積み荷は諦めろと言っているんだ」
「なんで? おっさんのが不利だろ……どう見ても」
「か、海軍から逃げられると思ってるのか?」
確かに……。
もう、こいつはいいか。
このおっさん一人でどうこう出来ないだろうし。
「そろそろ行くわ。確かに海軍はヤバそうだしな」
「ッ!?」
びっくりしているおっさんをしり目に俺は船の方へと向かう。
あーあ、そうか……殺されちまってたのか、あいつらの父親。




