港街ライオット9
「くっ、ここまでか……」
これで四回目……。
なんとか港の近くまで逃げてきたけど、パームカンパニーの兵士は、まるで街を占拠してるみたいに、ワンブロック毎に配置されている。
「なんとか、ミュウちゃんだけでも逃がさねえとな」
大きい人はそう言ってウィンクをした。
それで私が安心すると思っているようだ。
でも――
「だめです。全員で生きるんです。それじゃなきゃ意味ない」
覚悟を真っ向から私に拒否されて、大きい人は目を丸くする。
不思議だった。
目の前で人が死ぬのを見てから、逆に死ぬのが怖くなくなった。
違う。怖くなくなったんじゃない。
なんというか、お腹の底に何か詰まっているような……そんな感じ。
「そこのガキ! よくも俺たちのビルをやってくれたな!」
「おい、庇うって言うならあんたらもただじゃ済まないぞ。そのガキさえこっちに渡してくれたら、危害は加えないと約束しよう」
大声で怒鳴りつけてくる兵士は……恐らく下っ端さん。交渉してくる方が偉い人だ。
やっぱり、私はどうかしてしまったのだと思う。
八人の兵士に銃を向けられて囲まれている状況で、落ち着いていられるのだから。
「……待ってくれ、ちょっと待ってくれ。この娘があんたらの探しているガキだって証拠はあんのか?」
「それはこれから調べるさ。あんたの娘ってわけじゃないだろう?」
「もうやっちゃいましょう。こいつら絶対テロリストの仲間です」
ほら、やっぱり。
あっちが下っ端さんで、こっちが偉い人だ。
「――見ての通り、こいつは血気盛んでね。これ以上俺が抑えられる保証がない……さあ、その子供をこっちにうおうっ!!」
突然、私たちを取り巻いている兵士が一斉に宙を舞う。
時間がゆっくりになったみたいに、一人ずつ背中から地面に落ちて、全員が悶えると、また時間が元に戻った。
「姉ちゃん!!」
こっちに走って来る弟の姿。
そして、その身体を抱きしめて、ようやく理解出来た。
救世主さまが傍で見守って下さっていたのを。
ずっと、ずっと、子供の頃から今この瞬間も。
救世主さまが、私たちを助けてくださっているんだ。
「ごめん……父ちゃんは見つからなかったんだ」
「もういいよ……あんたが無事でよかった。本当によかった」
バイスさん、ウィンさん、ルマンさん、大きい部下さん、それから……
「ふぉあーちょうあーっ! ふぉー」
このおかっぱ頭の変な格好の人。
皆さんは、救世主さまの御使いに違いない。
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