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我ら救世傭兵団!  作者: zionPoP
44/225

港街ライオット9

「くっ、ここまでか……」


 これで四回目……。

 なんとか港の近くまで逃げてきたけど、パームカンパニーの兵士は、まるで街を占拠してるみたいに、ワンブロック毎に配置されている。


「なんとか、ミュウちゃんだけでも逃がさねえとな」


 大きい人はそう言ってウィンクをした。

 それで私が安心すると思っているようだ。

 でも――


「だめです。全員で生きるんです。それじゃなきゃ意味ない」


 覚悟を真っ向から私に拒否されて、大きい人は目を丸くする。

 不思議だった。

 目の前で人が死ぬのを見てから、逆に死ぬのが怖くなくなった。

 違う。怖くなくなったんじゃない。

 なんというか、お腹の底に何か詰まっているような……そんな感じ。


「そこのガキ! よくも俺たちのビルをやってくれたな!」


「おい、庇うって言うならあんたらもただじゃ済まないぞ。そのガキさえこっちに渡してくれたら、危害は加えないと約束しよう」


 大声で怒鳴りつけてくる兵士は……恐らく下っ端さん。交渉してくる方が偉い人だ。

 やっぱり、私はどうかしてしまったのだと思う。

 八人の兵士に銃を向けられて囲まれている状況で、落ち着いていられるのだから。


「……待ってくれ、ちょっと待ってくれ。この娘があんたらの探しているガキだって証拠はあんのか?」


「それはこれから調べるさ。あんたの娘ってわけじゃないだろう?」


「もうやっちゃいましょう。こいつら絶対テロリストの仲間です」


 ほら、やっぱり。

 あっちが下っ端さんで、こっちが偉い人だ。


「――見ての通り、こいつは血気盛んでね。これ以上俺が抑えられる保証がない……さあ、その子供をこっちにうおうっ!!」


 突然、私たちを取り巻いている兵士が一斉に宙を舞う。


 時間がゆっくりになったみたいに、一人ずつ背中から地面に落ちて、全員が悶えると、また時間が元に戻った。


「姉ちゃん!!」


 こっちに走って来る弟の姿。

 そして、その身体を抱きしめて、ようやく理解出来た。

 救世主さまが傍で見守って下さっていたのを。

 ずっと、ずっと、子供の頃から今この瞬間も。

 救世主さまが、私たちを助けてくださっているんだ。


「ごめん……父ちゃんは見つからなかったんだ」


「もういいよ……あんたが無事でよかった。本当によかった」


 バイスさん、ウィンさん、ルマンさん、大きい部下さん、それから……


「ふぉあーちょうあーっ! ふぉー」


 このおかっぱ頭の変な格好の人。

 皆さんは、救世主さまの御使いに違いない。


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