港街ライオット5
「……まあ、こんなもんか。ちと味気ねえが……」
「いいじゃないか。労力の節約も経営には大事だ」
パームカンパニーの倉庫を襲撃した俺は、あっという間に警備兵を無力化し、外部との連絡を絶つために高所で待機していたウィンと合流していた。
「いや、何もしてねー奴が言うなよっ!」
「……誰も逃げなかったんだから仕方がないだろう」
「つまり、俺が優秀過ぎるってことだな」
「ふっ」
ふっ、じゃねーよ。
文字通り高見の見物を決め込んでいただけのウィンに絡んでいると、ヴィシュラフォンが鳴る。
「おう、社長だが」
「……は? おーい! ウィーン? 聞こえてるのか?」
ルマンからだ。
「ちっ、俺だよ俺!」
「――なんだ、あんたか……ウィンは?」
「いやいや、俺でもいいだろうがっ! なんでウィンじゃねーとだめなんだよ?」
「うるっさいなー。じゃあもう、あんたでいいや」
ほんっとに素直じゃねーなこの女は。
「仕事を終えて予定通り待機してんだけど。あんたらの方はどうだい?」
「楽勝過ぎて物足りねえぐらいだな。今からお宝探しだよ」
「じゃあ、すぐにうちの部下送り込むから。運び出す物だけ目星つけときなよ」
「まあ、そう焦んなって。そんなに早く俺に会いてーのか?」
「は? キモいからなるはやで死ね」
せっかく素直になるチャンスをやってるのに、辛辣に返してくるルマン。
とんだ、じゃじゃ馬ちゃんだぜまったく。
「ってか、あんたらもマジで急いでくれよ。港湾局も馬鹿じゃないんだ。誤魔化すにも限度があるから」
「心配すんなって。それよか、そろそろ時間だぞ……街の方見とけ」
「――街? ああっ!」
俺たちのいる場所からでも、街から空に稲妻が奔るのが見える。
少し遅れてから轟音が鳴り響いた。
「がはははっ! やっぱいつ見ても爽快だな」
「な、なんなんだ、あれは? あんた何したんだよ?」
「いや、俺じゃねーよ。ミュウだよ」
「はーーーっ? あんたあの娘に何させたんだよっ!」
俺はそこで電話を切った。
別に嫌がらせをしたわけではない。
「おいっ! これを見ろ!」
珍しく慌てた様子で、ウィンが俺を一番近い倉庫の中から呼んでいるからだ。
「なんだよ、てめえ。裸の美人でも見つけたうぉいっ!」
俺の目に飛び込んできたのは……、
「――おいおい、マジかよ……」
透明のケースに入った裸の美女だった。




