港街ライオット2
「おい、どうだ?」
「うーん。警備の数はリーの報告よりも少ないな。恐らく僕たちを探すのに駆り出されてるといったところか……」
やはり、この機に乗じた俺の判断は間違っていなかった。
「装備は?」
「自動小銃が一挺――KSM45。それに弾遮装甲を急所に装備……だね、これはリーの報告通りだ」
「きっとこいつら自分たちの倉庫が襲われたことなんてないんだぜ」
「傭兵団の倉庫を襲う奴なんてそうそういないだろうからね。僕らからすれば劣った装備だが、まあKSM45は決して悪い銃じゃないよ。ジャムりにくいし、命中精度も高い」
ウィンは銃器なら何でも好きという節操のない野郎なのだ。
こいつは女でも銃でも「これだ!」という好みがない。
「アサルトライフルなんて雑兵丸出しの銃は好みじゃねーよ。やっぱ一発で吹き飛ばせる系じゃねーとな」
「でもお前もいつもNW9は携帯してるじゃないか」
「馬鹿、てめ、馬鹿! こりゃ拳銃だ、拳銃は別なんだよ」
「ふっ、今のお前の言葉をグラーが聞いたら喜ぶだろうね」
「あいつは連射は邪道だと思ってるからな……あ、そういえば、金髪が世界で一番モテるって嘘ついたから、今度会ったらあいつは処刑するんだからな」
こうやって武器の話をしていると嫌でもブランズのことを思い出してしまう。
あの部隊はクソ野郎と変人の巣窟で、戦地での晩飯の献立の話で殺し合いになりそうなときは何度もあったが、武器の嗜好に関しては、お互いに一応の理解は示していた。
俺たちは武器と戦いを愛するように教化されていたからだ。
とはいえ、武器の好みなんてものは、これからの俺の人生にまったく必要ない。
もう、そういうのからは足を洗ったのだ。
「ちっ、くだらねえ話してねーで、とっとと仕事すんぞ」
「……そうだな。で、お前に作戦でもあるのか?」
「もちろん、強行突破一択」
「まあ、そう言うと思っていたが」
こいつはすぐに俺の事を知った風に言うから、少し意地悪をしてみた。
「とはいかねーかな、今回は。俺が一人ずつ無力化するから、お前は――」
「大丈夫。誰も逃がさないよ」
でもまあ、こいつは俺の事をよく知っている方だと思う……。
こういうケースでは、無線で連絡を取られたり、逃げ出した奴に援軍を呼ばれるのが一番厄介だ。
「わかってんじゃねーか。まあ、この数なら楽勝だろ」
「ふっ。では社長、初仕事といこうか」
そう言って、俺たちは不敵に微笑んだ。




