バッドマンズビジネス3
「ギャ、ギャーっ!! た、助けて―っ!」
「ボス!! どうしたん……です?」
ルマンの悲鳴を聞いて、表にいた巨漢が中に入って来る。
「こ、こいつが! この変態が……!」
「照れんなって、ルマン。俺はバイス。お前の、お前だけの男だ」
「と、とにかく、私を下ろせーっ!!!」
「お、おいガキ、これはいったいなんなんだ?」
「わ、悪いけど、俺が訊きたいよ……」
ソファーに座っていた理想の女に駆け寄り、いきなりお姫様抱っこした俺は、熱烈なアタックをかますが、どうやらお姫様はとんだ照れ屋のじゃじゃ馬のようだ。
「お、おいっ! は、早く、助けろ!」
「おっと、動くなよハゲ! わかるだろ? なあ、わかるだろっ!!! お前も男なら!」
「え、あ、ええっ!!??」
どうやら、巨漢も俺の気持ちを汲んでくれているようだ。
「おいおい、照れんじゃねーよ。お前みたいな女を俺はずっと探してたんだ……なあ、感じてんだろ?」
「恐怖しか感じてねーよっ!! 早く下ろせーーーーーっ!!」
「お、おい、とにかくボスを下ろしてくれ、どう見ても嫌がってるだろ?」
ちっ、ハゲの奴、女心がわかってねーなー。
だが、惚れた女がこうも頼んでくるんじゃ聞かないわけにはいかない。
「はぁはぁはぁ、……お、おい、こいつを殺せ!!!」
「え? こ、こいつをですか?」
「他に誰がいんだーーーっ! 早くっ!!」
「……ですが」
下ろしてやるとお姫様は俺を殺すように命令するが、なぜかハゲは乗り気じゃなさそうだ。
「てめえが入れたんだろーっ! なんでこんな野郎通したんだ!?」
「……いや、面白しれえ奴だったんで……」
「…………」
「…………」
「殺せーーーーーっ!!!」
なんて激しい女なんだ!
「すまねえな、お前のことは嫌いじゃねーが、ボスの命令だ。悪く思うな」
ハゲが謝りながら肩にかけていた小銃を俺に向ける。
「いや、それは俺のセリフだ。男の気持ちを汲んでくれるてめえに手荒な真似しちまって」
「ッ!?」
次の瞬間には俺はもうハゲの懐に入り、片手で銃口を下に向け、もう片方で顎を跳ね上げた。
「……てめえも仕事なんだよな」
仰向けに倒れている気の良いハゲに謝ると、俺はまたルマンの方を向く。
「ひ、ひいっ!!!」
「もう邪魔する奴……いや、別にこいつも邪魔してたわけじゃねーな。そんなにビビんなよ。俺は惚れた女にはマジで優しくするうおっっと!!」
視線を向けただけで後退る照れ屋さんに迫っていると、いきなり一発撃ってきた。
好いっ!
「な、なんでだっ! 銃だぞっ!!」
「そんなの避けれるだろ普通。まあ刺激的なのは好きだが、そいつはちょっと刺激的過ぎかもな」
一気に間合いを詰め銃を奪い、そのまま唇も奪ってしまおうとすると、なぜかルマンは白目を剥いて気絶してしまった。




