バッドマンズビジネス2
ビルに入ると、階段にはチンピラたちが屯していた。
そいつらからも散々にからかわれた俺たちは、エレベーターに乗って最上階へと向かう。
「いいか、おっさん。ルマンさんは本当なら俺なんかが勝手に会いにきていい人じゃねーんだ。頼むから俺にとばっちりだけは勘弁してくれよ」
「ああ、後は俺に任せとけって」
「……でもさ、おっさんが舎弟のフリする必要なんてあったのか?」
ルマンとやらを怖がるラダを安心させてやるが、どうやら俺の作戦に不満があるらしい。
「まあ、特にはねーよ。強いて言うなら相手を油断させるためだな」
俺の答えに首を捻るラダは、やっぱりまだまだ十歳のガキという感じだ。
エレベーターが止まり、最上階で下りると、ハゲ頭の巨漢がドアの前に立っていた。
「ルマンさんに会いてーんだけど」
「ガキナメてんのか? 帰って母ちゃんのおっぱい吸ってろ」
途轍もない低い声で威嚇してくる巨漢に、ラダは目に見えて怯んだ。
巨漢はそれを見て鼻で笑うと、俺の方を向き舐めるように見てくる。
「……あんた何者だ? 只者じゃねーな」
「ちっとおたくのボスに用があってね。悪い話じゃねーんだが」
「誰の紹介だ?」
「ここにいる俺の兄貴からだよ」
俺がラダを親指で指すと、巨漢は豪快に笑い出した。
「ぐはははっ! ジョークは嫌いじゃねーぜ。だが、ボスに話を通してやるにもどんな話かによる」
「もちろん金の話さ」
「……ふんっ。ちょっと待ってな」
巨漢はそう言うと部屋の中へと入って行く。
「マジかよ……なんで!?」
ラダが不思議そうに言う。
「そ、そりゃー、俺ぐらいになると雰囲気だけでいけんだよ」
一番不思議なのは俺自身である。
正直、ごねるようなら力ずくでと思っていたが……。
そうこうする内に、巨漢が戻ってきた。
「ボスが会うそうだ。おっと、その前に身体検査させてもらうぜ」
身体検査をされてから俺たちは部屋に通され、
「お前か? 金の話だそうだなグダグダすんのは嫌いだ手早く済ませろ」
ソファーに足を組みながら座っている美女に、いきなり口早にまくし立てられた。
『お、おい……ルマンって男じゃねーのかよ?』
『お、俺も知らなかったよ……』
思わず小声でラダに耳打ちする俺を見て、その美女は眉を顰め――、
「聞こえてんぞ! 女だからって文句あんのか? お前ら殺されてーのか?」
最高のセリフを口にする。
気の強い美女。俺の理想の女がそこにいた。




