バッドマンズビジネス
翌日から、俺たちは動き出した。
本当はもっと慎重に事を運びたかったのだが、リーからニーム軍がかなり本気で俺たちを捕らえようとしてると聞かされ行動を早めることにした。
ウィンとミュウがパームカンパニーに恨みを持ってそうな奴らに接触する。人を攫ったりしてるような奴らだ。絶対にどこかで恨みを買っているに違いない。
それと並行して、リーがパームカンパニーの根城の位置や兵力を調査する。
これは俺がやろうと思っていた危ない橋だが、潜入、暗殺のスペシャリストがこのタイミングで仲間になったのはラッキーだ。
そして、俺とラダは――
「おっさん、あそこだ」
街の裏路地にある薄汚いビルに向かっていた。
「へっ、ゴロツキどもにお似合いの根城だな」
俺の読み通り、ラダはまっとうに稼いじゃいなかった。
こいつは街の不良のパシリやせこい盗みをして金を稼いでいたのだ。
「……おい、約束だからな。ねえちゃんには言うなよ」
「くっくっくっ、まさかてめえがチンピラだなんて知ったらミュウの奴怒るだろうなー」
「何笑ってんだよ! おい、頼むぞ、絶対言うなよ! ねえちゃんキレるとマジで怖えんだって!」
姉にびびって、秘密を守るよう念押ししてくるラダをからかっていると、いかにも道を踏み外した感じのガキどもがビルから出てくるのが見える。
「おう、ラダじゃねーか? なんだそいつぁ」
「これは今日から俺の舎弟になったバイスってんだ」
「「「…………ぶっ、ぶはははーっ!!」」」
胸を張ってイキり気味に俺を紹介するラダを見て、男たちは吹き出した。
「ぎゃははっ! お前いつからそんなギャグセンス上げたんだよ!」
「見てみろよ、このおっさんの顔! ぶぶっ! 真顔だぜ!」
「しかも中々の強面っていう! あり得ないだろっていう!」
あれ……、何だ、この逆に新鮮な感じ。
「へへへ、兄さん方に喜んでもらえて嬉しいっす。ラダの兄貴の舎弟のバイスっす。以後お見知りおきを!」
深々と礼をする俺を見て、ガキどもはさらに哄笑を激しくする。
「もういいだろー。それよりもルマンさんはいてるのか?」
「ふーふーふーっ……ああ、いてるいてる。お前ルマンさんにこいつ紹介すんのかよ……ちょっと笑えねえけど。まあ、お前がそうしたいなら止めねえよ」
笑いの余韻に喘ぎながらガキの一人が答えると、ラダはそいつらを無視してビルに向かう。
「――ルマンさんにギャグかますとかあいつイカれたのか?」
別のガキがそう言う声を聞きながら、俺はラダの後を追った。




