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無色透明のトロイメライ  作者: 皐月凉
2章 力の責任
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44話 進展と後退

FGO5周年の情報量が……多すぎて頭がパンクしそうになった



 レーヴェが口にした言葉は予想外というか……俺からしたら想像できてなかった内容だった。


「扉?」


 扉。ドア。つまりは出入り口。地球とロードの世界を繋ぐとレーヴェがそう言った。

 その内容には思い当たる節がある。


「……それって、お前が体験したあれってことか?」


 かつてのレーヴェは謎の敵により瀕死に陥り、命からがら地球に逃げてきた。そのときの話に近いように感じる。それでレーヴェがどうやって逃げてきたかと言うと、どうやら瀕死のレーヴェの近くに正体不明な扉がいきなり開いたらしい。そこから地球にやってきたて、空っぽになった俺の中にちょうどいいと入ってきたたわけだが……。


 もしそれが本当だとして、このビー玉らしいき物体がロードに出回っているとしたら……それこそヤバいな。あの化物どもがこちらに跋扈してくるということになる。

 ……本格的に危険だ。ロードに対抗するには魔力が必要。ただ、問題として普通の人だと魔力を扱えない。使えるのは俺みたいなロードと契約した人だけ……だろう。攻められたらひとたまりもない。実際問題、ここで被害遭っている人がいるし。いや、いたが正しいか。


『そうだね。恐らくだが、それと類似したモノだろう』

「他に、もっと詳細分からないのか? えっと、誰がこれを作ったとか」

『うーん、ごめんね。今の私にはこれの効果しか分からなかったんだよねぇ』

「あら、マジか」


 そうか。レーヴェは本調子ではないし無理もないな。いくら俺の中にいるとはいえ、躰がないのでは限界もあるだろう。

 むしろこれが何か分かっただけでもありがたい。これといって何か有効な対策が打てる……というわけでもないが。知らないよりかは情報ある方がいいに決まっている。


「えーっと、要するに、これを使えばロードの世界と地球と行き来できるっことか?」

『端的に言えばそうなるね』

「そんなもんがあるのか。にしても、よく分かったな」

『さすがにこの程度ならどうとでもなるさ。ただ……そこまでしか分からないというのはなかなかに歯がゆいね。どのロードがこれを作成したのか、そもそも次元の移動に近い力を持っているロードが存在したのか……まだまだ把握しきれていないことだらけさ』


 本当に残念そうなレーヴェの声が頭に響く。


「なんか意外だよな。レーヴェって王様だろ? もっと物知りかと思ってた」

『私なんて所詮は名ばかりの王だし、あんなの私がロードの中で一番強かったという話だけ。別に王だからといって、ここのように国を治めているわけではないよ。何なら、知らないことだってもちろん多いさ』

「いや、日本にはもう国で一番偉い王様なんていないし、国治めているってわけじゃないんだよな。まあ、世界にはそういう国はあるからレーヴェの言葉も全て否定できないけど。……それはいいか。本題じゃないし。それで話戻すけど、なんでそんなもんがここに落ちてんだ?」

『それは……アイツが落としたんじゃないかな。状況から鑑みて』


 まあ、それもそうか。今の情報ではそういう結論になる。そうでなきゃ、ロードの世界への扉なんて物騒な物、こんな場所に落ちているわけないよな。


「ていうか、これ、まだ使えるのか?」

『――――いや、もう使えないね。元々片道切符までの魔力しかないのか、何回も行き来したのかは不明だが、扉の効果はとっくに終わっていると見ていいだろう。今は薄っすらと魔力が残っている程度しかない。ここまで近づいて何とか感知できる程度の代物さ。学校にいても、家にいても分からない。昨日は君に気を取られすぎた。だから正直これに気付くのにも遅れた』

「ああ、そういう」


 うーん、何だろう。

 状況が少しは進んだようで、実のところさっぱり進んでいないこの感じ。堂々巡りだ。


「とりあえず回収しとくか」

『そうだね。何かまた分かるかもしれないし、できれば肌見離さず持っておいてくれ』

「りょーかい」


 結果として、ナザリはここにはいなかった。しかし、一応収穫はあった。今日はこれで良しとするか。


 さっさとここから離れるとしよう。暗くなるにつれて、ここはいわゆる不良やそういう感じの人たちが集まってくる。面倒ごとには巻き込まれたくない。……もう既にロードっていう面倒ごとに巻き込まれている気がするが、それはまた別。


 帰路につくために足を進めようとしたとき――


 ――――ジャリッ。


 それはとても小さい音だったが、誰かの足音が耳に届いた。ここが静かだから聞き取れた。

 これは誰かが不自然に足を地面と擦らせたのか。砂利を踏んだような音がした。


「……ッ」


 誰か、いる。確実に見られている。だいたい50m後方。


 尾行された? 俺を? 何故? 本当に? 偶然そこにいた?


 いつから? どこまで? 今の今まで気付かなった。恐らくレーヴェも。いや、レーヴェは気付いていても気にも留めていなかったのか? ともかく誰だ? ナザリではない。ここまで近ければロードなら魔力で分かる。誰だ?


「…………」


 そう急いで振り返るも……どうやら既に駆け足で去っておりどこの誰か確認することはできなかった。服も髪も特徴となるモノは何も見えなかった。

 というか、本当に尾行されていたのか……。なぜ俺を……面白みないだろ。


「なあ、レーヴェ。あれ誰だ?」

『さあ? あ、ロードじゃないことは確かだよ。君を尾けていたのか、ここに用事があったのかは知らないが、ぶっちゃけると無害そうだったから放置していたよ。それに、けっこう遠かったから君の独り言も聞こえなかっただろうさ』

「いやまあ、一応お前と話しているんだけどな?」


 外から見ればそりゃ独り言だけど。それはもう完全に。パーフェクトに。

 もし聞かれても独り言を連発している変な人認定されていただけかもしれないし、あまり大げさにすることでもないかな。にしても、ロード……ナザリではないことは確かだし、一体全体どこの誰なんだか。

 ちょっと焦ったし、けっこう驚きはしたけど、別に何てことないことだ。そうに違いない。


 気を取り直して今度こそ帰るか。


「……およ、お兄ちゃん?」

「ん? ああ、凪か」

「何その反応。てっきとーう」


 あそこから離れてだいたい20分くらい。玄関の前で下校中の凪と鉢合わせた。


「いや、兄妹なんだから普通こういうもんだろ」


 いかにも『不機嫌です!』みたいな表情の凪に呆れながら突っ込む。

 え、なにさ、凪に会えてめちゃくちゃ嬉しい! みたいな反応すればいいの? それはそれで気持ち悪いだろ。男の反応、しかも頬に傷があるような奴の顔だぞ? 客観的に見てもなんかヤバい奴にしか見えないんだけど。絶対需要が薄い。


「それでもさ、もうちょっと嬉しそうにしてくれてもよくない?」

「毎日顔合わせているのにどうしろと?」

「それはそれとして、お互い全く関係ないときに偶然外で会うって嬉しいよね? そういうシチュエーション好きなんだよねぇ」

「まあ、分からんでもない。つっても、もう玄関前なんだがな」


 ここまで来れば全く偶然でもなくタイミング重なれば普通に会うよねって話。

 そのタイミングが偶然かち合うというのは珍しいのかもしれんが、こうも長い間一緒に生活していればそういうことも何度か起こるだろう。実際、こういうこと何回か経験したことあるからな。


「むむっ、ああ言えばこう言う……お兄ちゃんのそういうところがダメだと思うね! そこは相槌打って話合わせるところ!」

「……適当に肯定してお前はそれで嬉しいのか」

「なら本心で頷けばいい!」

「一応ちょっとは肯定してるんだけどなぁ」


 分からんでもないと言ってるわけだし。


「とりあえず家入ろうぜ。扇風機で涼みたい」

「こら、逃げるなー。ていうか、扇風機って……。お母さん家にいればエアコン効かせてるでしょ」

「それもそうか。ただいま」

「ただいまー!」


 なんて適当に話しつつ無事家に帰ることができた。リビング……涼しい。エアコンいい。文明の利器の発達素晴らしいな。

 家にいるのは奏さんだけか。台所で晩飯の料理中。今日は何だろう。それなりに歩いたし、わりと腹減ったな。


「おかえり〜。あら、2人一緒だったのね」

「はい、玄関前でばったりと」

「お母さん、今日のご飯なに?」

「あなた帰ってすぐにね……煮物よ。ほら、2人ともさっさと手を洗う」

「はーい」


 ――――帰宅から何時間か経ち、晩飯も食べ終えた頃。


 風呂も入り、特に家事の手伝いもなく、リビングにて何もすることがなくなった状態だ。さて、ここからどうしようか。特に溜まっている課題はないし、ゆったりと本でも読もうかな。

 つっても、図書室とかで借りた本はない上に家にある本はあらかた読み尽くした。ああでも、凪の持っている本……ラノベはまだ読んでないからまた何冊か借りるか。いやいや、これを気にたまには読書以外の趣味でも見付け…………うーん、何も思い付かねぇ。


「ねぇねぇ、お兄ちゃん」


 そんなこんなでソファーで寝転びながらボーッとしていると、風呂上がりの凪がやって来た。

 たまにドラマや小説といった創作物などで見かけるネグリジェではなく、ごくごく普通のジャージ。家着に関しては俺と似たような姿。そんなに着飾らない兄妹でした。


 それは置いといて。


「どした?」

「ちょっと私の部屋来て」

「ん? 分かった」


 凪に連れられ移動する。2階にある俺の隣の部屋。

 わりとズボラな性格から散らかっているかと思ったが、整理整頓はされているな。


 内装は全体的にピンクや淡い色が多めで女の子らしいのだが、かなり大きい本棚に漫画やラノベがぎっしり詰まっていたり、机にはパソコンにタブレットが置いてあったり、こう言ってはあれだが、女の子の部屋としてはその辺りが少しばかし不釣り合いなところがある。


 まあ、今どき部屋にパソコン置いている人なんて多いか。高校生でがっつりとデスクトップというやつを持っている人がいるかは知らないけど。あれ確か奏さんに買ってもらったんだっけ? ちょっと贅沢すぎない? ああ違う違う。凪が親戚一同にお年玉たくさん貰って一昨年辺りに買ったやつだよな。

 ホント、使うってなったらとことん使う奴だな。


「……それで? 何か力仕事か?」


 見渡しても、物が多いわりかなり綺麗な部屋だ。特に何か必要というわけでもなさそうだが。


「えーっとね、端的に言うなら――――写真撮らせて」

「誰の?」

「え、お兄ちゃんの」


 ……どうして?


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