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チャッピーと共に  作者: 伝説の男前
第四章 大草原編
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第四章 第五話 婿に来い

翌朝。



おっさんは幸せだった。



久しぶりにまともな飯を食った。



牢屋からも出られた。



草原の民とも仲良くなった。



人生は順調だった。


「平和だな」


『その台詞やめろ』



チャッピーが即座に否定した。



最近のチャッピーは学習している。



悪い方向に。



草原の集落中央。



巨大な焚火の跡。



族長が待っていた。



周囲には大勢の草原の民。


「何か始まるな」


『始まるな』



嫌な予感しかしない。


族長の宣言


族長が立ち上がる。



大声で何かを話し始めた。


「グルバ! ガダ! モロロロロ!」



意味不明だった。



しかし周囲は大歓声。


「何て言ってる?」


『分からん』


「役に立たんな」


『傷つくわ』



すると。



チャッピーが突然光った。


ピカァァァ



古代王モード。



久しぶりだった。


『言語解析開始』



おっさん停止。



ミリア停止。


「翻訳できるのか!?」



チャッピー沈黙。


『成功率』


『2%』


「低っ!」


『頑張っとる』



しかし解析は続く。


『推定』


『歓迎式典』


「ほう」


『推定』


『婚姻儀式』


「ほう?」



嫌な予感。



急激に嫌な予感。


『推定』


『お前の』



沈黙。


『結婚式』


「帰る」



即答だった。


美形の若者


その時だった。



人混みが割れる。



昨日の美形が現れる。



黒髪。



整った顔。



長身。



超美形。


「おお」



おっさん感心する。


「イケメンだな」


『イケメンやな』



ミリアも頷く。


「綺麗な方です」



その美形が近づいてくる。



そして。



おっさんの手を取った。


「……」



おっさん停止。


「近い」



さらに近い。



笑顔。



妙に優しい。


『近いな』


「近いな」



周囲が盛り上がる。



拍手。



歓声。



笛まで鳴る。


「何だこれ」


『知らん』



チャッピーも困惑していた。


婿に来い


族長が前に出る。



胸を張る。



そして。



おっさんの肩を掴む。


「グォォォ!」



意味は分からない。



しかし迫力はある。


チャッピー。


『解析完了』


「おお!」



ついに翻訳。



文明の勝利。


『婿に来い』



沈黙。


「何?」


『婿に来い』


「誰が?」


『お前』



おっさん停止。



ミリア停止。



チャッピーだけ元気。


『おめでとう』


「めでたくねぇ!」



周囲は大歓声。



どうやら本当らしい。


ミリア姫


ミリアは不機嫌だった。



珍しく。



非常に珍しく。


「そうですか」



無表情。


「おめでとうございます」



無表情。


「良かったですね」



無表情。


「全然良くない!」



おっさんは叫んだ。


『嫉妬やな』


「違うだろ」


『嫉妬や』



ミリア本人も気付いていなかった。



鈍感だった。


運命の一言


その時。



後ろの戦士がぼそっと呟いた。


「そいつ男だぞ」



静寂。


「……」



おっさん停止。



チャッピー停止。



ミリアだけ分かっていない。


「今何て?」



戦士が答える。


「男だ」



おっさん固まる。


「いやいや」


「男だ」


「嘘だろ?」


「男だ」



三回目だった。



残酷だった。



おっさんは恐る恐る相手を見る。



美形。



超美形。



どう見ても美人。


「……」



確認してしまった。



見てはいけないものを。


「あっ」



蒼白。



硬直。



魂離脱。


『確認してもうたな』



チャッピーが呟く。


「確認してしまった……」


『ドンマイ』


「ドンマイじゃねぇ!」



族長が豪快に笑う。


「ガハハハハ!」



通訳不要だった。



笑っていることだけは分かった。


『息子やて』


「息子なのかよ!」



会場大爆笑。



おっさんだけ笑えない。


なぜか安心するミリア


その横で。



ミリアが小さく息を吐く。


「良かったです」


「何が!?」


「結婚しなくて済みます」



おっさん停止。


「そこか!?」



ミリアも停止した。



自分で言った意味を理解していない。


「え?」



首を傾げる。



鈍感だった。


『重症やな』


「重症だな」



チャッピーと意見が一致した。


新たな約束


騒動の後。



族長は笑いながら言う。



もちろん何を言っているか分からない。


『解析結果』



チャッピーが翻訳する。


『ならば牛を見つけたら娘をやる』


「娘いるのか?」


『おるらしい』



おっさんの目が光る。



牛。



娘。



重要なのは前者である。


「よし」



拳を握る。


「牛を探そう」



チャッピーが呆れる。


『そこなんやな』



こうして。



おっさんの第四階層での牛探しは続く。



そして。



次なる牛らしき情報が届く。


「空飛ぶ牛を見た者がいる」



草原の民の証言だった。



当然ながら。



嫌な予感しかしなかった。


第四章 第五話 完

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