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ゲーム世界のモブ悪役に転生したのでラスボスを目指してみた 〜なぜか歴代最高の名君と崇められているんですが、誰か理由を教えてください!〜  作者: 八又ナガト
第四章 王立学園編

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86 領都を完全破壊しよう! ②

 響き渡るローラの声を聞いた瞬間、俺は全てを悟った。


 まずい。このままではまずい!

 複数のレーザーがアブソーブ・ドレイクを討伐してしまえば、またしても英雄扱いされる羽目になる。


 そんなことは断じて許せない。

 俺はすぐさま思考を切り替え、全力で魔力を練り上げた。

 手段は単純だ。複数のレーザーがアブソーブ・ドレイクに吸収される前に、特大の一撃で群れを一網打尽にしてしまえばいい。

 そうすれば行き場を失ったレーザーたちは再び本来の目標――すなわちこの領都の各施設や家屋へと狙いを戻すはず。


(今度こそ、どんな運命にも抗ってやる!)


 覚悟とともに、俺は叫んだ。


「【(ジオ)炸裂する爆炎プロミネンス・バースト】!!!」


 次の瞬間、俺の全身から途方もない魔力が解き放たれ、大気が震えた。


 これで終わりだ。

 勝利を確信したまさにその時だった。



「いいえ、それだけではありません! 群れを率いているのはアブソーブ・ドレイクの突然変異体! その実力はSランクに到達し、生半可な攻撃を幾ら浴びせたところで無意味! 超火力を超えた超極大の一撃を浴びせなければ、全ての攻撃を吸収され被害は甚大化します! それでも、それでも領主様なら――!」



「――――ッ!?」


 続いて城壁の外から響き渡ったのは、レインの声だった。

 咄嗟に魔術を止めようと試みるも、既に発動した後。手遅れだった。



 ドォォォォォォォオオオオオン!!!


 ドドドドドドドドドドォォォォォン!!!


 ドドドドドドドドドドォォォォォオオオン!!!



 まず【(ジオ)炸裂する爆炎プロミネンス・バースト】がひと際大きな黒い影に命中し、爆散。

 直後、数百のレーザーが降り注ぎ、アブソーブドレイクの群れを次々と撃ち倒していく。

 その度に色鮮やかな光が生じ、まるで明朝に花火が打ち上げられたかのようだった。


 そして数分後――アブソーブドレイクの群れは、跡形もなく全滅していた。



「「「うぉぉぉおおおおおおおお! 領主様がアブソーブドレイクの群れを倒されたぞぉぉぉおおおおお!」」」



 領民たちの歓声が、朝の空気を揺らす。



「「「領主様! 領主様! 領主様!」」」



 続けて巻き起こる、領主コール。

 その声を全身に受けながら、俺はただ呆然と眼前の光景を眺めていた。


 そして背後では、



「さすがはご主人様です。先ほどまで城壁の上から見守っていたかと思えば、次の瞬間には事態を収拾されている……やはり私には、ご主人様の全てを把握することなど到底できそうにありません」


「クラウス様のご慧眼には、毎度驚かされるばかりでございます。まさかこの出発の日に、これほどの偉業を目の当たりにするとは。このオリヴァー、一生忘れることはないでしょう」


「魔導兵器の活用と、お兄様自身の力の併用……これが私の目標とすべき領主の姿なのですね! 出発前にこれを見せてくださったということは、きっと私への最後の教えだったのでしょう! 代理の身ではありますが、お兄様に少しでも追いつけるよう全力を尽くします!」


「さすがはわらわの生み出した兵器じゃ! もっとも、この事態を事前に予測しておったクラウスもさすがじゃがな! ……しかし待て、一晩で作り上げたわらわにはもう少し感謝と労りの言葉があっても……」


「主様がいなくなってもこの領地を守り続けること、このローラが誓います! 主様の旅立ちを前に、改めてレンフォード騎士団団長としての覚悟が定まりました!」


「単独で、あれほどの……すごい。私もまだまだ邁進しなければ!」



 マリー、オリヴァー、リーゼロッテ、ミリカトル、ローラ、レイン。

 彼らは各々に、余すことなく俺に対する称賛の言葉を口にする。


 ……なぜ、なぜ、なぜなんだ。

 ちょっと領都を完全に破壊し、悪逆の限りを尽くそうとしただけなのに!

 なんでこんな称賛を浴びる羽目になるんだ!


 悔しさと理不尽さが胸の奥から溢れ出し、抑えきれなくなった俺は、朝の澄んだ空気に向かって全力で叫ぶ。


 くそっ、くそっ、くそっ!


「何でこうなったぁぁぁあああああ!!!」


 直後、何を勘違いしたのか領民たちからは一斉に――



「「「もちろん、領主様のおかげです!!!」」」



 ――という声が響いた。

 こうして俺は最悪の記憶を手に、王都に向けて出発するのだった。

次回から学園編開始!

こうご期待!


次回は9月1日(火)12時頃、更新予定です。

どうぞ楽しみにお待ちください!!


それから本作のコミカライズ版が、現在ガンガンONLINE様にて連載中となっております。

村上メイシ先生の手によって最高のクオリティに仕上げていただいているので、楽しめること間違いなしです!

この機会にぜひご一読ください!

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説明乙、その弐w
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