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魔術の謎を紐解く学者が望む日常  作者: 咲月 sc
第1章 過去の面影と変わる日常
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第8話 ルヴィエの血筋

「あぁ…本当のことだ。」


 私はこの答えが出ることを予感…いや、確信していた。

 こいつミクトが嘘を吐く理由など無く、何より…彼とは久しく共にしていた仲間だ。彼が嘘を言うなればすぐに判る。


「そうか…フェーズに突入しているのか?」


「いや、()()突入していない…って、それぐらいレインちゃんもわかっとろうて!!」


 そう笑いながらゲラゲラと言う。確かに、フェーズに突入していたと聴いたら眼をひんむいていただろう。自分の鈍感さに。


「そか……私たちの代で突入すると思うか?」


「突入…させるしかないだろうな。何としてでも。」


 笑顔が顔に張り付いているとはこの事か…ミクトの表情が消えていた。


「暴走か…まだ封鎖は考えなくてもいいかもしれないが……ミクト、総ギルド長に連絡しておいてくれ。私はここで買い物を楽しんでから帰る。もし何かあったら私のところに来い。」


「ったく~、いっつもわしに面倒事を押し付けるよなァ?まぁ、言われてなくてもやってたがのォ。」


「あ、あの~…話を割る形で申し訳ないんですが…総ギルド長って、おじいちゃんのことでしょうか?」


 少しばかりおどおどとしながら話に入ってきたのは、アリシア・ルヴィエだ。

 そして、彼女の言葉に間を開けること無く口を開いたのは私とミクトだった。


「嘘だろおいっ!!…総ギルド長の孫娘えぇっ!?」

「はぁー、やっぱりか…しっかし変わんないなぁ、あんまし。」


 ミクトは大袈裟なほどに驚き、レインは最初から気づいていたかのように反応した。


「えっ?…レインさんは知ってたんですか!」


 アリシアも驚いている。まぁ、私が気づいたのは昨日の夜に彼女の寝顔を見てからだけど。


「まあな、ルヴィエっていう名はなかなか居るものじゃないし……まぁ、そんなところだ」


 彼女の寝顔を見て気づいたなんて恥ずかしくて言えるわけがない。言いたくもない。


「んで?その総ギルド長がどうかしたのか?」


「あ、そうです。その事なんですが……」


 そう言って、彼女は自分のカバン?の中を探り始めた。


「あ!ありました。…じゃーん!これがあれば連絡なんてすぐに終わりますよ!」


 彼女が取り出したのは魔写の手紙(マジック・レター)と呼ばれる、作り方が分からず、持っている者が極端に少ない代物だ。

 持つ者が極端に少ないのは、二つで一つの道具のため片方だけ見つかっても意味がないからかもしれない。

 だが、実用性は高い。


「なるほどな、確かにそれがあればすぐにでも連絡できるな。だが、それはお前しか使えないんじゃないか?」


 そう、この代物は自らの魔力を通して使用する。

 そして、それ以降の使用は魔力を通した者にしか使えない。そのため、持っていても、誰か専用になっている事が多いだろう。

 これは、片方に書かれた内容がもう片方に現れるというもので、連動した手紙というのが正しいと思う。そのため、片方の手紙が破損していなければ、対になる手紙の場所が分かる。

 …手紙とはいえ、魔法文字のため何度も書き消しが可能だ。


「それもそうなんですが、連絡の内容さえ伝えていただければ、私でも書けます!」


「だ、だが、お前が本当に総ギルド長の孫娘って証明できるのか?」


 ミクトが聞いた質問は興味本意のものではなく、情報を預けるに値する人物かどうかを調べるためのものだろう。

 これでも、ここの場で話された内容は極秘のものだ。……まぁ、そんな杞憂もすぐに終わるのだが。


「うーん、証明ですか……これでどうでしょうか?」


 アリシアは私たちにある一文を見せた

≪私の居るところで何か起こったみたいなんだけど、おじいちゃん来れる?≫ という内容の。


――そして、返事がきた。1分と経たぬ内に

≪なにっ!それは本当か!よーし、すぐに行く!≫ という内容の。

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