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魔術の謎を紐解く学者が望む日常  作者: 咲月 sc
第1章 過去の面影と変わる日常
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第10話 学者の帰途

   「ん、いつもありがとな~。」


「感謝を言う方はこっちなんじゃがの。」


「ふん、その婆くさいしゃべり方はどうにかならないか?昔はそんな話し方じゃなかっただろう。」


「だってババアだもの。年相応の話し方ってもんがあるんだよ。」


「そうか…本当にあれから65年も経ったんだな。まだ実感がないな……あのときはだいぶお世話になったな…ほんとにすまなかった。」


「なんや?レインは。ここに贖罪として来とんか?それやったら余計な迷惑や。あんたがここに来るせいで、どれだけの被害を被ったとおもうて?それでもあんたを受け入れんのは、レインがまだ()()やからや。確かにあれから70年近くはたったかもしれん。でも、あんたは14歳で止まったまんまや。……異論は?」


「いや、なにも言い返せないな。……どれだけの年月が経っても、性格までは変わらんか」


「ふん、年月が経つだけじゃあ性格は変わらん。人の根本を変えるにはそれだけの原因ときっかけが必要になる。そして、その原因ときっかけは」


「その人の過去と未来の見解にある……だろ?何回も聴かされたんだ、それぐらい覚えている。」


「そうか……それじゃあそろそろ婆さんは寝るよ。年寄りの就寝は早いんだ。何だかんだ言ってもうすぐ19時だからの………いつでも帰ってきな≪英雄レイン≫」


 そう笑みを浮かべて婆さんは奥の部屋へと戻っていった。


「……まだ私はここの子供ってことか。ほんとに変わんないな。

――おい、アリシア。起~き~ろ~!」


「え!?なに!……ってレインかー。もう行くの?」


「あぁ、日帰りのつもりだったが今日はギルドで一泊するぞ。」


「う、うん。それはわかったけど、2日後ぐらいにはおじいちゃん来るんだよね?それなら一泊じゃなくてしばらくここに留まっていた方がいいんじゃない?」


「それもそうなんだが、(けんきゅうじょ)に忘れ物をしていてな。一旦ギルドに戻ってから、忘れ物を取りに行く。…すぐに戻って来るつもりではいるが、その間に総ギルド長が来られるかもしれない。だからミクトと一緒に留守番を頼む。まぁ、留守番のついでにいくつか依頼を受けさせられるかもしれないがな。」


 そう早口で捲し立てる。これだけ一気に言っても、要点をよく聴き納得できる辺り、アリシアは交渉術が得意かもしれない。


「は、はぁ。分かりました。あ、この武器は返した方がいいですよね。…はい、どうぞ」


 それに気が利くときた。私が男だったら嫁にもらいたいNo1に入るな。


「ん、助かる。……ところで、家庭的な仕事は出来るのか?」


「何ですか?いきなり。…これでもルヴィエ家の女ですよ?基本的な事は出来ます。」


 うん、さすがルヴィエ家だ。


「ところで……こういうのは聞かない方がいいと思うけど…どれだけ稼げたんですか?」


「毎回きっかり銅貨30枚だ。もしもっと私に余財があれば、アリシアの武器を中古のものになんかしたりしないよ。」


「そう…ですよね。でもこの短剣、結構気に入ってるんですよ?中古なのに傷一つ無いし…それでいて銅貨2枚だなんて。パン1個分の値段ですよ?!」


「ん、気に入ったなら良かった。だけどあまり魅入られるなよ?武器を扱うなら、武器を従えてからだ。

――んじゃ、ギルドに戻るぞ。ルールは守れよな」


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 町の奴らはいつも通りの態度だ。……いつもと違う点と言えば、アリシアが私の10m後ろにいることぐらいか。……そして、彼女はだいぶ怒ってるように読み取れる。たぶん町の住人に対してだろう。

 それでもルールを守る辺り、彼女は強いと思う。


私が提示したルールは3つ

・私と歩くときは必ず10m以上の距離を開けること

・私が合図するまで私に話しかけてはいけないこと

・絶対に反抗的な態度をとらないこと


 これを絶対に守らないと、アリシア自身が私と同じ目に遭う。ちょうど今みたいに。


「………あれに近づいちゃ行けません………」

「……な…で……殺人鬼…生きてんだよ……」

「早く…ね!………の化け物が」


 こんな陰口は日常茶飯事のことだ。が、何か飛んでくるのは久しぶりかもしれない。


「…っ…いったぁ…。石は反則だろ。ったく」


 私は傷を負っても、聖力が多すぎるためかすぐに治る。これが私を化物に近づけてるのかもしれない。

……ちょっと飛んでくる石が多いな。


「おい、私に石を投げるってのはどう言うことかわかってんのか?」


――だいたいこれで逃げていく。今日の奴らも例に漏れない人たちだったようだ。


 こんな陰口や攻撃を黙ってみてろと言う方が酷かもしれない。が、そうでないととばっちりを受ける…ということもわかっている。

 だからこそ、怒っているのだろう。

 だが、そんな時間ももう終わる。ギルドにやっと到着したからな。

次の話は 1.レインが家に戻る道中~ギルドに戻るまで

2.アリシアの留守番中の出来事


の二つのうちどっちが見たいでしょうか?

もし、1(または2)が見たい!と言うのがあれば、感想か私のTwitterにてお知らせください。


どちらがいいと言うのがない場合は 1.で進めていきます。

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