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月丹とレル美。
タバコも吸えない薄暗くて、オシャレなお店で
お店の名前はアマニタシトリナ。
『人の中身がね、そんな粘度の低い水だとは思えないのよ。』
『粘度って?』
『サラサラかドロドロか。』
『ふーん。』
『確かめてみよっか?』
『いいけど、どうするの?』
『ちょっと月丹の指、齧っていい?』
『何指?』
『できれば、人差し指かな。』
『いいよ。はい。』
『ありがと。』
『うん。』
——
レル美に噛まれる少し前、人差し指。
先っぽは、下唇にふれて、柔らかい。
その先の、下の歯に触れて、硬い。
上の歯と、下の歯の隙間にセッティングされて、
そのさらに先の舌先に、ミリだけ触れた。
少し唾液。
体温の生暖かさと、口の中の湿気と、
噛まれたぎゅ。
『どう?』
『皮膚が噛み切れない。』
そう言って、レル美は、噛むのをやめた。
『なんかレモンみたいな味がしたよ。』
『さっきライム触ったから。』
室内の冷房で、
指先に残った唾液が、ひんやりとした。




