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 城水は決断しつつあった。クローン化したとはいえ、やはり過去の城水家での追憶はぬぐい切れず、地球に踏みとどまることにしたのだ。あとは、最終分析結果がいいことを願うばかりだった。もし最悪の場合、城水自身は過去の次元へ送られるからいいが、同時に進行する別次元の地球は異星人達によって動・植物園化されるのである。その措置が実行されれば、恐らくひと掴みの人間を除いてすべてが抹殺、あるいは別惑星へ移住させられるに違いなかった。まったく違う次元で時空は同時進行するのである。人類が消滅する訳ではないが、それは片眼を失った独眼の人間に等しかった。

 夕方近く、城水はいつものように学校から帰宅した。一日50種の地球外物質を採取する作業は、指令により免除されていたから、帰宅時間は元へ戻っていた。

[帰ったぞ…]

 少しテンションが低過ぎる・・という城水の脳内数値は言動注意を計算でしめした。迂闊うかつだった…と反省し、城水は、[ただいま!]とテンション高く言い直し、修正した。

「パパ、お帰り!」

 雄静ゆうせいが元気よく玄関まで走り出てきた。我が子の顔を見ると、すべての悩みが吹き飛ぶ城水だった。クローン化以降も、過去の記憶は残っていたから、この感情が変化することはなかった。

 城水は、いつもと変わりなく、出来るだけ平常心をよそおった。指令から深夜帯に坂下のマンホールへ呼び出されていることは、冷静な物腰で方便を使うしかないと脳内数値が結果を出していた。

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