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[やめ、やめっ! 今日は自習にする]

 城水は黒板を消しながら、生徒達にそう言った。城水自身にも、なぜ過去の展開になったのか? が分からなかった。

 城水が教室を出てトイレへ入ったとき、突然、背広の外ポケットが緑の光を出し輝き始めた。

━ なぜ、過去へもどったのか、お前にそれが分かるか? ━

[分かる訳がないだろう…]

 送られたテレパシーに城水は即座に返していた。幸い、トイレに人影はなかった。よ~く考えれば、その辺りの状況判断は地球外物質の方が城水より優れているはずなのだ。

━ 我々は十日後には地球を離れる。お前が残るか、ともに去るかはお前の意志にゆだねられるが、もし残る場合は、今の時空にお前を戻す。それで、お前の安全は確保されるだろう ━

[どういうことだ?]

━ 別の時空で我々は地球の処置を済ませることになる。だがそのとき、違う時空でお前は生活できるということだ ━

[よく分からない…]

━ 分からなくてよい。異次元の時の流れということだ。教室へ戻れば分かる ━

 地球外物質はテレパシーを送り終えると、静かに緑の光を消した。勤務中の学校内でもあり、城水は多くを考えないことにした。ただ、異次元の五次空間が存在する理論が、理論物理学者のランドール博士により実証されたことを知っていた城水は、脳内を活性化させた。違う世界が同時に存在することは可能なのか? 城水自身は考えなかったが、脳内を計算式と数値が飛び交い始めた。

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