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[ともかく回収を急ぐよう、すべてに指示せよ]

[分かりました…]

 そんな会話がUFOの指令船内で交わされていた頃、城水は教室内で授業を始めていた。黒板に白チョークで[四捨五入して、千の位までのがい数で表しましょう]と書き、その下に、[1]3546219 [2]168275 [3]268723 [4]25463 と書き終えた。

[[1]の答えが分かる人!]

「は~~い、先生!」

 そのとき、城水は、おやっ? と思った。この場面はいつかあった…と、過去の映像が一瞬、脳裡をクロスしたのだ。城水の脳内数値は過去のデータを示していた。むろ、あのときの城水はクローン化していなかったのだが、今、教室内で展開している場面は、まったくあのときと同じだった。

[到真とうま、まあいい…]

 同じことを言おうとしていた城水は。思わず自分の言葉をさえぎった。

「先生、どうかしたんですか?」

 テンションが高い到真は、逆に城水へ問い返した。

[いや、なんでもない。ははは…少し寝不足でな]

 城水は異星人的なに戻りかけた低いテンションを、意識的に高めた。機械的な話し口調は常時、注意していたが、テンションだけは時折り下がったのである。それ以上、到真がたずねなかったのは、城水にとって幸いだった。クローン化した異星人だとは、気づかれる訳にはいかなかったのである。到真はいぶかしげな顔をしたが、押し黙った。城水とすれば、ホッ! の気分である。やれやれなのだ。

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