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[んっ? いや、なに…ど忘れだ、ははは…]

 城水は突発時の対応策の一つ、<ぼかし>を使った。テンションが低めだったから、こちらも少しハイへ上方修正した。

「そうなの? 若狭さんね、あの方、実はアレのコレのソレなのよ」

「アレのコレのソレって?」

「あなた…どこか悪いんじゅない。いつも分かってくれるじゃない」

「パパ、アレのコレのソレだよ」

「あらまあ! ゆうちゃんの方がお利口じゃない」

 城水は、すっかり守勢に立たされた。

[ああ! アレのコレのソレなあ]

 危うく感じた城水は、突発時の対応策の二、<口合わせ>を使った。本当のところ、さっぱり要領を得ず、分からなかったのだが…。

「そうなのよ。プライドが高いっていうかさ、負けん気が強いっていうか…」

[厄介やっかいなお方なんだな…]

 城水は里子の話で、いくらか理解度を増した。

「あらっ! いけない! もうこんな時間! あとはお願い!」

 里子は腕を見ると、あわてて家を出ていった。城水は、ともかく里子の追及の手を逃れられ、ホッとした。

[この辺で雄静ゆうせいの友達はいるのか?]

 里子が作っておいたカレーをキッチンテーブルで味わいながら、城水はそれとなく雄静にたずねた。

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