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 城水はあらためて里子の顔を見た。化粧を塗りたくったその顔は、この世のものとは思えず、異星人ぽかった。城水は、なぜかその顔が美人に見え、親近感がくのをおぼえた。

 異星人だと見破られまいと意識する保身の心理が、いつの間にか城水の観察力をくしていたのである。

[分かった…。で、今頃からどこへ行くんだ?]

「嫌だわ、この前、言ったじゃない。奥様会よ」

 奥様会のことは以前、耳にして多少は認識していた城水だったが、その実態までは、まだ把握はあくしていなかった。データに送信ミスがあったのか、奥様会の情報は含まれていなかったのである。

[ああ、そうだったか…。じゃあ、早く帰って来いよ]

「ええ…。お夕食会だけだから、早く済むとは思うけど…」

[けど? けど、なんだ?]

「この前、言ったと思うけど、高くつくかも…。若狭の奥様には負けられないわっ!」

 里子が珍しく息巻いた。

[ははは…]

 城水は若狭という人物を認識していなかった。これも情報データに送信漏れがあったのだ。完璧かんぺきなはずのデータ群にほころびが何か所もある。これでは、少なくてもあと半月をともにする生活の先行きが思いやられた。

[その若狭さんというのは?]

「あら? 言ってなかったかしら。銀行の頭取の…」

 城水の問いかけに、里子は怪訝けげんな顔をした。

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