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[パパ、疲れてるんだ…]
「そうなの? いいよ…。今、観察日記つけてるしね」
雄静は城水の機械的な話し方を不審に思わず、小学1年生のあどけなさで了解した。
[悪いが、ママには言うなよ]
城水は念を入れた。雄静は子供だからいいが、大人の里子には気づかれる恐れがあった。声も快活に話すようには注意したが、まだどこか、ぎこちなかった。多少のことはいいとしても、これから城水家での生活が続くのだ。星団へ帰還せねばならないタイム・リミットが約3週の20日だということは指令船の上官から伝えられ、城水は知っていた。いろいろな人間が暮らす生活物質を回収し、分析するのがその20日なのである。城水が覚醒したことで、人類の初期化は一応、停止された。だが、生活物質の分析結果によっては初期化もあり得るのだ。その最後の日までが20日、いや、すでに1日が経過していたから、19日の残余期間しかなかったのである。人間がナマズを飼う・・というペット思考も、すでに集積データ内に格納されていた。さすがに城水が飼っていたペットのナマズは怪しまれる恐れもあり、生活物質として回収されることは見送られた。
クローン化した城水には家内だけでなく、残余が19日とはいえ、問題が集積していた。そのもっとも大きな部分が授業である。まったく知識がない者が生徒に授業が出来る訳がない。ある程度はデータは得ていた城水だったが、その圧迫感は尋常なものではなかった。




