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 城水は一瞬、ガラス窓に映る里子達を見た。幸い、城水は見られていなかった。城水は庭を見通せるガラス窓に背を向けた。

[ああ、大丈夫だ。ただ、今日は少し危うかった]

[なにがあった?]

[いや、報告するほどのことじゃない。私はまだ、覚醒かくせいしたばかりだ。城水のほんの一部を知ったに過ぎない。城水はナマズを飼っている。私はナマズの飼い方を知らない]

 城水はテレパシーを返した。目を閉じた姿で同じ位置に立ち続けるのは尋常ではないからだ。背を向けていれば、家族からは夕焼けを見続けている・・くらいに映る。

[そんなことは、どうでもいい。私にはナマズとウナギは違うことくらいの知識しかない。私は今日で一応、任務を解かれた。君が覚醒した以上、観察の要がないからだ。あとは、よろしく頼む]

 クローン[1]は玄関の外にいた。

[分かった…]

 城水がテレパシーを送ったあと、クローン[1]は跡方あとかたもなく消え失せた。城水は水槽に飼われているナマズに不安を感じた。

 夕食前、城水は里子に気づかれぬよう、こっそりと雄静ゆうせいを呼び寄せた。

[雄静君、ナマズの餌やりは頼んだ]

「雄静君って、パパ?」

[い、いや。ははは…雄静、頼んだ]

「それは、いいけど。でも、どうしたの? パパ。いつも楽しみにしてるじゃない」

 雄静はいぶかしげに城水を見た。

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