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「待たせたな!」

「いいえ…」

 いつもはハイテンションな到真とうまがローな声でつぶやき、辺りをうかがった。話の内容を他の生徒に知られれば、冷やかされかねないからだ。それだけ自分の言おうとしていることが世間の常識、いや、地球上の科学の常識では有り得ないことを到真は分かっていたのだ。

「で! そのUFOとかは、どこで見た?」

 城水は朝の到真の話を一応、記憶していた。

「駅前の道路です…」

「どこの?」

「先生が乗られる駅前の…」

「坂の下か?!」

 城水は朝、車窓から見えた坂の下の光景が不意に目に浮かんだ。坂の下はゴミひとつなく、綺麗だった…と。

「はい…」

 到真がうなずいたあと、二人の間の会話が途切れた。城水には、なぜか到真の言葉がうそだとは思えなかった。というのも、朝方に見た坂の下の状況は、過去にないほど綺麗だったからだ。空き缶、タバコのポイ捨てゴミは申すに及ばず、石ころ、ちり一つ落ちていなかった。

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