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「なんだ…」
がっかりしたような雄静の声がした。その声を聞き、明日の夜は里子と二人で深夜、出ることによう…と城水は思った。というのも、明日は日曜から月曜になる深夜なのだ。また何も起こらなければ、雄静の登校にさし障ることになる。自分は寝なくてもなんとかなるが、小学生の雄静には、さすがに堪えるだろう…と思えた。脳内数値もそれがほぼ正解という97%の数値を示した。
朝が明け、城水は里子にそう言った。
「そうよね…。私とあなたで確認してから、アチラに待ってもらえばいいじゃない!」
里子の恐怖心は完全に消え、開き直ったような言葉が口から出た。雄静は睡眠不足からか、九時過ぎに起きてきた。城水と里子も睡眠不足だったが、そこはそれ、大人である。いつもどおり起きていた。一日は何事もないまま、ただなんとなく流れ、また夜が巡った。
「ゆうちゃん、今夜、あなたはいいから、いつもどおり寝なさい」
「でも、パパとママは行くんでしょ、昨日の夜みたいに…。僕だけ、おいてけ堀は嫌だよ!」
雄静はテレビの講談で聞き覚えた『おいてけ堀』を上手く使って言った。城水と里子は互いに顔を見合わせて笑いながら、それもそうだ…と思った。よくよく考えれば、万一、その場で移送となれば、雄静とは二度と会えなくなる。学校は遅刻か休み届で、一日くらいなんとでも出来るのだ。
[そうね…。ゆうちゃん、離れ離れは嫌だわよね」
[よし! 雄静も来なさい。三人がいいよな]
城水は明るく言った。




