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「ゆうちゃん、ママが起こしてあげるから早く寝なさい」

「は~~い!」

 雄静ゆうせいは、まるで旅行にでも行くかのように軽いテンションでそう返事すると、素直に子供部屋へと消えた。城水の脳裡に混信したテレパシーが入ったのは、その直後だった。

[準備は、とどこおりなく進んでおりますが、一部の北西アラスカ方面と北東アルゼンチン方面の低温地域で難航しておるようです]

[分かった…低温事情によるものだな]

[はい! 低温で停止するクローンがふえているとのことです]

[私から星団指令に指示を仰ぐから、出来得るかぎり準備を継続するように伝えよ]

[分かりました!]

 混信したテレパシーは城水の脳裡からすぐ消えたが、城水には異星人が低温に弱い・・という事実が分かっただけで、何の準備なのかまでは分からなかった。

 里子は洗いものをそこそこに済ますと寝室へと去ろうとした。

「一端、眠るわ。起きられるか分かんないから、目覚ましセットしておくわね」

[ああ…]

 城水は混信した頭から正気にもどり、うつろに里子の後ろ姿へ返した。

 新聞を畳むと城水も眠ることにした。ただ、寝室へは行かず、このままソファーで眠ろうと思った。目をつむると、城水の脳裡で脳内数値が働き始めた。計算は、異星人達の諸事情の一つが低音障害だという事情から解析され、城水自身にも分からないややこしい計算式により解答を瞬時に導いた。

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