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地球は微妙な変化を見せ始めていた。世界各地で不用と判断された人間が消去されていたのである。ただ、表面上の世界各地の世情は平穏で、以前と何ら変化はなかった。むろん、城水を取り囲む環境にも何ら変化はなかった。しかし、城水家で生活を共にする里子と雄静だけは城水が異星人と分かって以降、城水をある種、尊敬する向きがなくもなかった。その具体例の一つが、今まで一日、¥1,000だった城水の小使いが¥2,000にぺースアップしたことである。これはもう、過去の城水なら御の字でニコニコ顔なのだが、今の城水は半異星人化していたから、脳内数値のコントロールを受けて何も感じるところがなかった。異星人と認識された結果、額が増した…という冷静な思考である。すべては脳内数値の分析結果による判断だった。
異星人達によって消去された者は、地球上から完全に消去された者達と他の次元に移送された者達に別たれた。後者は城水がいつも通る坂の下の交番近くにあるマンホール下に移送して集められ、その地下駅から異次元へ移送されていったのである。彼等は地下駅へ移送された段階で、すべての過去の記憶を消去されていた。これは、いらぬ混乱を避けるための処置を異星人が施したことによる。
━ そのうちお前や家族にも分かるだろう… ━
指令のテレパシーが城水の脳裡を過った。迎え・・とは、果たしてどういう意味なのか? 城水は昼間の定食屋で指令から受けたテレパシーが気になっていた。お迎えとは世間では普通、あの世からの迎え・・すなわち死を意味するのだ。異星人達は城水家の三人を抹殺しようというのか? 城水は、ゾォ~っと背筋に寒気を覚えた。




