101/123
-101-
「パパ、異星人が攻めてくるの?」
雄静が無邪気に言った。城水をまだ人間と見ている物言いだ。
[いや、そんなことはない…]
城水の脳内数値はあ35%の確率を示したが、彼はその数値を黙殺し、家族として答えた。
「今までどおり生活できるの?」
いくらか興奮が冷めたのか、里子は夫婦、主婦として冷静に訊ねた。
[ああ、むろんだ]
城水は即答して頷いた。ここは、ひとまず二人を落ちつかせる必要があった。
「なら、別に問題ないじゃない! 今までどおりでいい訳でしょ?」
里子がいつもの図太さで言った。
[そのとおりだ。今までどおりで何の問題もない。ただ…]
城水は深層を詳しき話そうと思ったが一瞬、躊躇して言葉を暈した。最悪の場合、一部の人間だけが一生物として地球上に姿を留めるのみで、あとは処分されるのである。地球が多種多様な動・植物園化するなどとは、とても言えなかった。だいいち、城水自身の話も(まゆつば)と思われている節も0ではなく、そんな動・植物園化などという途轍もない話が信じてもらえる訳がなかった。
「パパ、まだ浮かんでるよ」
城水は里子の話に付き合わされ、つい地球外物質のことを忘れていた。雄静に促され、城水は慌てて目を瞑った。




