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里子と雄静が、言葉を失って茫然と浮かぶ地球外物質に釘づけになったのは必然だった。地球外物質は人間の科学に反し、宙にフワリフワリと漂いながら緑色の光を点滅させ続けた。それも城水の手の平の上、約10cmという同じところを動いていなかった。紛れもない地球科学を否定する現象が城水家のキッチンで起きていた。
城水は静かに目を開けた。
[どうだ。お前達に、この現実が信じられるか? この物質が浮かびながら輝いているのはマジックではないのだ]
城水は二人に信じさせるため、いっそうテンションを下げ、機械的な言い方で話した。そのとき突然、雄静が何を思ったか、浮いた地球外物質に近づき、軽く人差し指の先で押した。地球外物質は一瞬、点滅を止め、その位置で凍ったように停止したが、何事もなかったかのように、またフワリフワリと漂い始めた。とはいえ、その位置は相変わらず城水の手の平の上、約10cmを保っていた。
「いつからなの?」
唐突に里子が訊ねた。城水の脳内数値は里子の訊ねた意図をすぐに計算数値で示し、結果を出した。里子は、いつから城水が変化したのかを知りたがっている・・と。
[三年ほど前だ…]
城水は相変わらず機械的な低いテンションで朴訥に返した。
「そのときから、あなたは宇宙人なの?」
まだ半分は信じていないような顔つきで里子は続けた。
[ああ、異星人になった。しかし、今までの記憶は残っているから、半分は地球人だ]
城水は今の自分を説明した。




