表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/6

4

プロフリンクから他の作品も読めます

『クロード、隣にいる孫のあかりが、今のデザインをもっとおしゃれにしたいと言っているんだ。今の渋い緑色を、明るいベージュとテラコッタ色に変えて、フォントも少し丸みのあるモダンなものに変更してくれるかな?』



「あ、じいじ、そんな普通に喋るみたいに打っていいの?」



あかりが驚いている間に、画面の中の「部下」が動き出した。



『承知しました、あかりさん。モダンで温かみのあるデザインに変更します。フォントも読みやすく、かつ洗練されたものを選びますね。今、修正案を作成しています……』



数秒後。画面上のコードが書き換わり、自動的にブラウザが再読み込みされた。



「……わっ、すごい! 本当に変わった!」



あかりが声を上げた。画面は、先ほどまでの重厚な郷土資料風のデザインから、まるでセレクトショップのサイトのような、軽やかで洗練されたものへと一変していた。



「すごすぎるよ、じいじ。これ、私の学校のホームページより全然おしゃれじゃん!」



あかりは、それから一時間、茂の隣に張り付いて離れなかった。



「ねえ、ここを動画にできる?」「この写真に、私のスマホで撮った今の写真も並べられない?」



次々と飛び出す孫のアイディアを、茂は「よし、聞いてみよう」「それはいいアイディアだ」と受け止め、クロードに指示を出し続けた。



茂は気づいた。これまで自分は、デジタルを「若者に教えてもらうもの」だと思い込み、引け目を感じていた。だが今は違う。自分には長年培ってきた「完成形をイメージする力」と「指示を出す経験」がある。そして、それを形にしてくれる優秀な部下がいる。



あかりの瞳に、自分への「尊敬」の光が宿っているのを、茂は見逃さなかった。



「じいじ、魔法使いみたいだね」



その言葉に、茂は胸の奥が熱くなるのを感じた。



「魔法じゃないよ、あかり。これは『マネジメント』っていうんだ。じいじも、まだまだ新しいことを始めるのは、悪くないと思っているんだよ」



窓の外では、いつの間にか蝉の声が止み、夕暮れのひぐらしが鳴き始めていた。

しかし、茂とあかりのいる書斎だけは、未来へと続く新しい熱気に包まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ