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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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相棒

 迫りくるタイタンバスターの巨大な足。

 それを前に、サーバルは目を閉じる。


「(クソ!)」


 重々しい轟音が響き、周囲の砂が巻き上がる。

 だが、痛みは来なかった。

 肩で息をするサーバルは、ゆっくりと目を明ける。


「……ッ、アーシャ!」

「先行しすぎって、言っただろうが!!」


 サーバルの目に映ったのは、タイタンバスターの足を支えるアーシャの姿だった。

 早く退避しようとするも、ガス欠の身体は動かない。


「……すまん(クソ、やっぱ、無理しすぎたか)」


 次の瞬間、サーバルの身体は後方へ引きずられた。


「全く、お仕置きで抱き枕になってもらうよ!」

「……謝るからソイツは勘弁してくれ」


 後ろから聞こえてきたのは、ケフュレスの声。

 彼女は狙撃銃片手に、サーバルを引っ張って下がる。

 取り残されたアーシャは、更に力を込めだす。


「ヌオオオ!」

『グ、何だ!?』


 驚くパイロットの声が響くと同時に、タイタンバスターの頭部に青いビームが直撃。

 頭部が爆散した事で、機体のバランスは崩れる。

 その隙を突き、アーシャは敵の足を押し返す。


「オラァ!」


 足を押された機体は後方へと下がり、アーシャはグレネードランチャーを撃ち込みながら下がりだす。


「この!この!」


 そして、敵アーマードナイトの残骸を遮蔽物にして四人は集合。

 サーバルはケフュレスに回復魔法をかけてもらいながら、アーシャを前にする。


「バカ猫が!死にたいのか!?」

「……すまん」


 胸倉を掴んで来たアーシャから顔を逸らし、サーバルは謝った。

 すると、片膝をついたアーシャは肩に手を置いてくる。


「けど、無事でよかった」

「ホント、焦りは禁物だよ、スコール2」

「……ああ」


 柔らかなアーシャの声に、胸を痛めた。

 以前はかける側だった筈が、今自分がかけられている。


「……アーシャ」

「応援が来ます!」


 話しかけようとした瞬間、武器を構えていたフィリアが大声で叫んだ。

 彼女の言葉通り、四人の頭上を三機のアーマードナイトが通り過ぎる。


「(兄貴たちか)」

『クエイクバインド!』


 ライトニングの一人であるラケルタは、タイタンバスターの地面を変形させた。

 地面は崩れ、敵の機体は完全に足を封じられる。

 そこへ、もう二機が迫る。


『行くぞライトニング2!』

『人の妹に何しやがる!!』


 レッドの言葉に反応しないオセロットは、一緒に武器を魔法で強化しながら接近。

 タイタンバスターのコックピットに、二人の武器が突き刺さる。


『スコール1!スコール2を連れて下がれ!』

「ああ!そうさせてもらう!スコール3!スコール4!カバー頼む!」

『押忍!』


 サーバルはアーシャに担がれ、そのまま後方へ下がって行く。


「ムーブ!」


 その掛け声に合わせ、四人は撤退。

 彼女達を守るかのように、ラケルタの機体が立ちはだかる。


『ここから先は通さん!』


 彼の重火砲が乱射される音を耳にしながら、アーシャ達はホバー移動を続ける。

 アーシャの肩に乗せられたサーバルは、彼女の方へ目を向けた。


「……ごめんな、アーシャ」

「言い訳なら、生きて戻れたらいくらでも聞いてやる」

「……ああ」


 運ばれるサーバルの脳裏に、アーシャとの孤児院での思い出が過ぎる。

 タイタンとは思えない程小柄な彼女が、いじめっ子に喧嘩を仕掛ける姿。

 そんな彼女に、興味本位で話しかけたのがキッカケだった。


「……本当に、デカくなりやがって」


 同じ位の身長だった彼女は、いつの間にか自分より大きくなった。

 そして以前より、彼女の周りには沢山の友人がいる。


「……なぁ、アーシャ」

「何だ!?」


 掠れた声を出すサーバルは、マシンガンで防衛するアーシャに話しかけた。

 消耗で意識が遠のく中、サーバルは何とか言葉を発する。


「……俺とお前は、まだ、相棒、だよな?」

「バカが!」


 敵兵を蹴り飛ばしたアーシャは、撤退を再開する。

 そして、サーバルの質問にも答える。


「いつだってお前は、私の大事な相棒だ!!」

「……ああ、そうだな」


 ヘルメットの中で笑みを浮かべたサーバルは、意識を手放す。


「だから死ぬんじゃねぇぞ!こんな所でな!」


 アーシャの言葉を薄っすらと耳にしながら。


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