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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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苛烈な戦場

 両陣営の行軍で地響きが起こり、砲撃の轟音が鳴り響く戦場。

 敵の規模に怯んだサーバル達は、すぐに戦闘行動へ移る。


「チ、なんて数だ!」


 味方に後方を任せ、四人だけで前へと出る。

 いつもの戦術を用いるも、雨のように降り注ぐ砲弾の中を掻い潜りながら進軍する。


「艦隊はライトニングチームに任せる、私らはいつも通り雑魚を蹴散らす!」

『押忍!』


 先頭をホバー移動するアーシャのサインに合わせ、サーバルはケフュレスと共に彼女の後ろへ移動。

 前列には硬いアーシャとフィリアが立ち、壁となって進軍する。

 爆散して飛んで来る砂埃や破片を被りながら、サーバルは銃の動作をチェックする。


「(このフォーメーション、もどかしいんだよな)」


 前列に立つアーシャとフィリアは、シールドを構えながら射撃を開始。

 二人の矢弾避けをサポートするように、後方でケフュレスが砲弾とミサイルを撃ち抜く。

 遠距離武器を持たないサーバルとしては、この時間は祈るばかりだ。


「できるとしたら!」


 飛び上がったサーバルは、隊列の目前に居た敵兵士へショットガンを叩きこむ。

 撃ち抜かれた敵兵は、アーシャの手斧でトドメを刺される。


「コイツで、私達が一番乗りだ!」


 突き進んだ事で、彼女達は解放戦線の前線へと到着。

 そしてケフュレスは狙撃の為に下がり、残りの三人は敵陣へ殴り込む。


「行くぞ!」

「はい!」

「おう!」


 フィリアはナイフからビーム刃を展開し、アーシャも手斧を装備。

 二人に続きサーバルは左腕のブレードを展開し、三人は散らばる。

 そして、目の前に居る敵兵を前にする。


「世界に人類の救済を!」

「ここは俺の距離だ!」


 敵メイジギア兵の剣を回避しつつ、サーバルはブレードを振るう。

 魔力をまとい、緑に発光する刃は敵兵を装甲ごと斬り裂く。


「次!」


 影を落とされたサーバルはダガーナイフを引き抜き、奥の敵へと目を向ける。


『この背信者めが!』


 遥かに巨大な体躯を持つアーマードナイトの一撃を回避し、敵機体の腕を伝って更に飛び上がる。


「フシャ!」


 サーバルの左腕のブレードで、敵のヘッドパーツを切断。

 破損した部分にショットガンを押し付け、魔力を大量に込めて何度も引き金を引く。


「……へ」


 貫通した大型の弾丸は、内部のパイロットに直撃。

 パイロットの死亡と共に、アーマードナイトの巨体は地に伏せる。


「うし、ウミャ!?」


 機体の撃破に喜んでいると、近くから吹き荒れた風にサーバルは吹き飛ばされた。

 描人族の身体能力で受け身をとり、風の正体を目にする。


「……あ、アイツ等」


 共に戦うアーシャとフィリアは以前より洗練された動きで、敵兵と戦車を蹴散らしていた。


「(兄貴の修行のおかげか?アイツ等、いつの間に)」


 容赦なく刻まれ、叩き潰される敵兵達。

 明らかに以前よりも手際が良く、互いに互いを支え合っている。


「(以前まで、アイツの隣は……俺が)」


 アーシャの隣で戦うフィリアに、自分の姿を投影してしまう。

 意識を持っていかれたサーバルは、ショットガンを下ろす。


『サーバルちゃん!!』

「ッ!」

「世界に人類の救済を!!」


 ケフュレスの通信で我に返るも、既に別の敵兵に背後を取られていた。

 防御も回避も間に合わない状況下で、サーバルは無意識に手をつきだす。


「しn」

「ッ!」


 しかし、刀が振り下ろされる前に敵の頭部は破裂した。


『スコール2!集中!さっき言ったでしょ!?』

「す、すまん、助かった」


 謝りながら立ち上がったサーバルは、落としたショットガンを手に取る。


「(名誉は稼いで挽回する!!)」


 すぐに近くの敵兵三名へとスラグ弾を撃ち込むと、ブレードで止めを刺す。

 そして、その奥から進軍してくる戦車へとダガーナイフを数本投げ込む。


「シャ!」


 命中したナイフ達の爆発により戦車は爆散し、周囲の敵兵を巻き込む。


「先行する!援護しろ!」


 弾を込めたサーバルは、宣言通り更に前に出る。

 彼女の進行を阻止しようと、敵の弾幕が襲い掛かる。

 基本的に持ち前の俊敏性とスラスターで回避し、余裕の無い攻撃は円形のシールドで弾く。


「(俺だって、俺だって!)」


 またアーシャの隣で戦う事を思い浮かべながら、サーバルは左腕のブレードへ魔力を集中。

 深い緑色に発光した刃を敵の密集している箇所へ振り抜き、巨大な竜巻を発生させる。


「くらいやがれ!!」


 竜巻はミサイルを破壊し、砲弾の類を巻き込み更に凶悪な物となる。

 破壊の風となった竜巻は敵兵達に到達し、メイジギアもアーマードナイトも切り刻む。


『グッ!ギ、よ、よくもぉぉ!!』

「フシャアアア!!」


 竜巻を生き延びた一機のアーマードナイトが斧を片手に襲いかかってくるも、サーバルはブレードを繰り出す。

 コックピットを斬り裂き、形成した隙間へ銃弾を撃ち込む。

 撃破した機体を踏み台にし、更に前へと出る。


「はぁ(消耗は、してるが……やれる!)」


 少し呼吸を乱しながらも、サーバルは銃を握る。

 すると、後方のアーシャ達から連絡が入る。


『スコール2!先行しすぎだ!』

『その位置では狙い撃ちされます!』


 二人の忠告通り、一番先行していたサーバルに敵の攻撃が集中する。


「チッ!」


 舌打ちしながらも、サーバルはメイジギアの性能と自分の反射神経を駆使して弾幕を回避。

 盾でも身を守りつつ最寄りの敵兵に向けて、サーバルは地面を蹴り飛ばす。


「こんの!ッ!?」


 更に踏みしめた地面は突如盛り上がり、サーバルは足を取られた。

 それだけでは無く、砂の中より巨大な人型の鉄塊が出現。

 バランスを崩したサーバルは落下し、その鉄塊の正体を目にする。


「た、タイタンバスターだと!?」


 全高十八メートルの巨体を持つ機体は、砂漠向けの迷彩を施した表面を輝かせる。

 そしてサーバルを捉え、巨大な拳を繰り出す。


「させるか!!」


 スラスターで姿勢を無理矢理直したサーバルは、もう一度ブレードに魔力を込めた。

 向かってくる拳に向けて、風を纏わせた刃を繰り出す。


「シャアア!」


 その叫びと共に、拳とブレードは衝突。


「キッ!?」


 敵の拳は崩壊するも、代わりにブレードは破損。

 瞬時に身体をシールドで覆うも、タイタンバスターの手首で殴られる。


「ガハッ!」


 その衝撃で吹き飛ばされたサーバルは地面に叩きつけられ、バウンドしながら地面を転がる。

 受け身を取ったサーバルは、無理矢理立ち上がろうと力を込める。


「クッソ!ぐ……」


 しかし、膝に力を込めた瞬間視界が揺らぐ。


「(く、クソ、ペース上げ過ぎたか)」


 タイタンバスターへの一撃で、サーバルの魔力はガス欠に近づいていた。

 おかげで視界はかすみ、身体は鉄を流されたように重くなる。


「(ちく、しょう、俺と、したことが)」


 もう周りの音は聞こえず、地面を揺らしながら接近するタイタンバスターしか見えない。

 歪んだ視界の中で巨大な足が上げられ、サーバルへと落とされる。


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