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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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稼ぎ時

 非番を切り上げたサーバル達は、着替えた後にソウリュウの格納庫へ到着。

 慌ただしく動くスタッフ達をかき分けながら、彼女達は準備を終えたケフュレスと合流する。


「やっと来た、ほら、稼ぎ時なんだから急いで!」

「分かっている!」

「か、稼ぎ時?」


 ケフュレスを横切ったサーバル達は、自分達のメイジギアがかけられているハンガーに到着。


「遅いぞお嬢さん方!」

「悪い!」

「急ぐぞ!」


 ドワーフの整備士の補助も受けながら、二人は修復されたメイジギアをまとう。


「パーティクル制御オンライン、武装、チェックっと」


 同じくチェックを行うアーシャを横目に、サーバルも自身の武器の点検を開始。

 左腕に伸縮ブレードと、ダガーナイフを複数装着。

 最後に愛用のショットガンを手に取ると、武装せずに立ち尽くすフィリアが手を上げる。


「あのー、そろそろ状況を教えて欲しいのですが……」

「あ」

「そ、そうだったな」

「ちょっと、教えて無かったの?」


 ケフュレスに言われ、サーバルはアーシャと共にフィリアの前に立つ。


「攻撃してんのは、反エターナル団体の人類解放戦線って連中だ、一応、この世界で二番目の規模をもった連中だ」

「忙しくしてる理由は、そろそろ……」

『……各員に通達、その場で聞け、エターナルから依頼が入っている、ブリーフィングを確認しろ』


 二人が説明していると、コマンダーのアナウンスが響いた。

 彼の言葉に従い、サーバルはヘルメットのバイザーを下げる。

 フィリアも首のチョーカーからアーマーを展開し、ヘルメットで顔を覆う。

 すると、エターナルを象徴とするロゴが映り、女性のような機械音声が響く。


『傭兵の皆様に通達します、町は現在、人類解放戦線の攻撃を受けています、彼らの完全撤退、あるいは殲滅が依頼の達成条件です、また、エターナルは参加者全員に依頼料金をご用意いたしますが、戦闘ログを送信していただければ撃破数に応じて追加報酬をお支払いします、奮ってご参加ください』


 エターナルからのブリーフィングは終了し、サーバルはヘルメットのバイザーを開けた。

 そして、同じく素顔を晒し、額に手を置いている。


「まぁ、そう言う事だな」

「……稼ぎ時と言うのはわかりましたが、何故彼らは敵対しているのでしょうか?」

「簡単に言えば、AIなんかに支配されてたまるかって奴らだ、まぁ私にはどうでも良い事だ」

「傭兵登録してる奴なんて大体そんな物だろ、ま、そいつ等を代わりに倒してくれって事だ」

「そうそう!それに、戦闘の経費までエターナル負担だから、駆け出しからベテランまで沢山参加するよ」

「……それってつまり」


 目をパチパチさせるフィリアは、ケフュレスからの言葉の意味を悟った。

 そして、暑苦しい声が無線に響く。


『スコール!貴様らいつまで油を売っている!?』

「おっと、ファインの奴だ……押忍!行くぞ!」

『押忍!』


 アーシャの言葉に敬礼したサーバル達は、移動を開始した。

 ベルガスシティの防衛戦の時と同様、ファインチームと同じ装甲車へ搭乗。

 大急ぎでソウリュウから出撃し、戦場を爆走する。


「……他にも、複数の車両が確認できますね、解るだけでも五十両程」

「ああ、この町だけでも五千人以上傭兵が居るからな、だが奴らは仲間じゃない、競争相手だ」

「成程、彼らよりも前に、敵を大勢倒せばいい訳ですね」

「そう言う事だ、やってやろうぜ、一緒に」

「……はい」


 装甲車に揺られながら、アーシャとフィリアはグータッチをした。

 その様子を横から見ていたサーバルは、無意識にアーシャの腕を小突く。


「おい」

「あ?」

「俺もな」

「……ああ」


 ほほ笑んだアーシャとグータッチを交わしたサーバルは、満足そうにヘルメットのバイザーを下げた。

 すると、ケフュレスから個人通信が入る。


『どう?答えは見つかった?』

「……いや、厳密にはまだだ、だが、この気持ちが色艶じゃない事は確かだ」

『そっか』


 画面の隅に表示されているケフュレスの顔は、より優しい笑みに変わった。

 反対に表情を強張らせたサーバルは、通信を続ける。


「けど、この戦いで突き止めてやるよ、俺がどういう感情抱いてんのか」

『……それは良いけど』


 口角を下げたケフュレスは、言葉を少し重くした。

 目こそ開いていないが、サーバルは息を飲んだ。


『……あまり持ち込まないでね、私でもカバーしきれない事も有るから』

「ッ、わ、わかった、すまん」

『でも、みんな仲いいのは、私大好きだよ』

「……はいはい、ッ!?」


 ケフュレスの言葉を聞き流していると、付近で起きた爆音がサーバルの耳に入り込んだ。

 除き窓から外を見ると、別の傭兵団の装甲車数両が火だるまになっていた。

 距離を詰めて行くにつれて、傭兵団たちへ苛烈な砲撃が襲い掛かる。


「(いつもより激しいな)」

『いいか貴様ら!ゴミの詰まった耳をかっぽじれ!』


 ケフュレスと話していると、オープン回線でファインから通信が入った。

 そして、サーバル達は彼の作戦に耳を傾ける。


『俺達の役目はいつも通り露払いだ!スコール中心の陣形で行動!他の傭兵共の警戒を怠るな!!』

『押忍!』


 彼からの簡単なブリーフィングは終わり、装甲車は停車。

 後方のハッチが開き、順次降車して行く。


「(いつも通りだ、前線に立つ、銃弾を敵に撃ち込む、それだけだ!)」

「行くぞ!スコールチーム、戦闘開始だ!」


 そう言い聞かせ、サーバルはアーシャに続く。

 砂の大地に足を着け、即座に銃を構えて周辺を警戒。

 そして、敵の部隊の方へと目を向ける。


「……お、おいおい、冗談だろ?」

「……敵艦、二十隻を確認」


 フィリアからの報告に、サーバルは更に口元を引きつらせた。

 今までに見た事のない規模の敵艦隊が陸を進み、無数のビークルが迫る。

 押しつぶされそうな光景に、サーバル達は息を飲んだ。


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