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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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突入部隊

 スカイエデンの下部。

 マキナ達の撃ち込んだ砲弾は原型を留めながら、船体へと食い込んでいた。

 煙を上げる砲弾の側面が開き、そこからアーシャが出て来る。


「ウ、ヴォエッ!」


 砲弾より転がり出たアーシャはヘルメットを脱ぎ、吐き出した。


「あんのクソ女、生きて帰ったら髪の毛全部引っこ抜いてやる」


 口元を拭いつつ、ヘルメットを戻したアーシャは砲弾の方を向く。

 そして、砲弾から次々と選抜されたメンバーが出て来る。

 勿論彼女達も、発射の衝撃で顔色を悪くしている。


「あ、あはは、とりあえず、侵入成功、だねー、オエ」

「おいサーバル、しっかりしろ」

「あ、ああ、わりぃ、兄貴」


 ケフュレスに続き、オセロットもサーバルを引き上げた。

 そして、最後のメンバーをアーシャが引き上げる。


「無事か?フィリア」

「はい、まさか、砲弾で撃ち込まれるとは思いませんでした」


 フィリアも、珍しく血色を悪くしていた。

 自分に喝を入れるように頬を叩くと、腕の装置からホログラムを展開する。


「お前ら、集合だ」

「おう」


 アーシャの号令で、オセロット達は集合。

 フィリアの表示するホログラムに、全員の目が行く。


「ざ、座標からして、ここはコントロールセンターの真下ですね」

「なら急ぐぞ、下の奴らも限界はある」

『押忍!』


 オセロットの言葉に返事を行い、アーシャ達は武器を手にする。


「よし、スコール4、先導してくれ」

「押忍」


 ホログラムを用いてマップを形成したフィリアは、先導を開始。

 駆け足で薄暗い通路を進み、目的を目指す。


「にしても暗いな」

「砲撃の影響で、送電設備が崩壊したみたいだね」

「……」


 ケフュレスとサーバルの会話を聞きながら、アーシャはマックスの事を思い出す。


「(アイツの立場を考えると、どの戦域に居てもおかしくない)」


 入れ違いになっていないかと、不安を過ぎらせた。

 どんなに意識を集中しても、気配が多すぎて認知できない。

 眉をひそめていると、オセロットの声が響く。


「止まれ!」

「ッ」


 曲がり角に差し掛かると、銃弾が撃ち込まれた。

 すぐに角へ隠れ、身を隠す。


「集中しろ!」

「……すまん」

「コントロールセンターには、この通路を通るしかありません」


 絶え間ない弾幕が張られる中で、フィリアの報告が行われた。

 アーシャは、ケフュレスとサーバルにアイコンタクトを取る。


「カバー!」


 掛け声とともに身を乗り出したアーシャは、シールドで隠れながらバルカン砲を斉射。

 サーバルも後に続き、散弾を撃ち込む。

 しかし、敵兵も遮蔽物を展開して身を守っている。

 強固な鉄塊に二人の攻撃は阻まれ、敵の攻撃がシールドをかいくぐりアーマーを掠める。

 火花が散り、装甲の一部が削られる。

 その隙に、本命のケフュレスが狙撃銃を構える。


「よし」


 そう呟くと、ケフュレスのレールガンが敵兵を遮蔽物ごと撃ち抜く。

 三人の一斉攻撃によって、攻撃は止む。


「クリア!」


 制圧を終えた事を伝えると、再びフィリアが先頭に立つ。


「ムーブ!」


 順次通路を進み、最後に待機していたケフュレスの肩が叩かれた。

 一列に並んで先を急いでいると、先ほど撃ち殺した兵士達の上を通る。


「……強化人間」


 改めて目にした強化人間達を前に、オセロットは叫びだす。


「どう見ても子供じゃねぇか、クソ!」


 尻尾を逆立てるオセロットは、怒号と共にライフルを前方に構えた。

 彼にあわせるように、アーシャは奥歯を噛み締める。


「マックス、無事で居てくれ!」


 アーシャとオセロットの悲痛な叫びが、通路に響いた。

 更に奥へと進み、フィリア以外のメンバーの身の毛がよだつ。

 痺れるような気配に、四人の表情は更に強張る。


「この気配、アイツが、待ってるな」

「……ドレイクさん、ですか?」

「そうだ」

「……」


 気配に反応すると、五人は慎重に進みだす。

 徐々に痺れた空気へと変わっていくと、お目当ての人物と出くわす。


「……お待ちかねだったようだな」

「ああ、少し待ちくたびれたぞ」


 声にも姿勢にも、焦りの欠片は無い。

 組んでいた腕を解いたドレイクは、重たい言葉と共に全身にスパークを走らせた。

 獲物を見つけたような眼光に、アーシャは身体を震わせる。


「それに……」


 ドレイクは二人の強化人間と共に、通路の曲がり角に立ち尽くしていた。

 しかも、片方はマックスだ。

 三人を前にすると、アーシャ達も横隊を組む。


「今回は大勢だな、だが、お前達のお目当ては」


 そう言いながら、ドレイクは案内図を指さした。

 指の先には、『中央コントロール室』を意味する言葉が書かれている。


「……なんのマネだ?」

「まぁ行かせる気は無い、だが、そこの強化人間の嬢ちゃんに足止めされたら、危ないかもな」

「……」


 ドレイクの発言に息を飲んだアーシャは、フィリアへ目を向けた。

 その言葉の意図を汲み、フィリアはナイフを取り出す。


「私をご指名です」

「へ、さぁ来な!ガキ共!真ん中の女をやれ!!」

「チ!」


 取り巻きへの指示を行うと、ドレイクとフィリアは衝突した。

 刀とビーム刃が衝突した瞬間、床が崩落。

 二人は切り結びながら、下層へと落ちて行った。

 そして、残された二人はアーシャへ接近してくる。


「クソ!」


 アーシャは前に出ると、二人の攻撃を受け止めた。


「アーシャ!」

「お前らは行け!コントロールセンターを破壊しろ!!」


 オセロット達へ指示を投げかけると、アーシャは本格的に戦闘を開始。


「来い、マックス、今度こそ、必ず連れ戻す!!」


 幼少からの誓いを胸に、アーシャは一歩踏み込んだ。



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