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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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綺麗な装備

 戦いは再開し、その轟音はソウリュウの格納庫にまで響き渡る。

 マキナ主導でレールキャノンの換装作業が行われ、その傍らでフィリアは作業を眺めていた。


「レーヴァテイン、骨董品だが、今はこれが頼りか」


 そんな事を呟きつつ、フィリアはマキナから渡された装備に手を置く。

 軽く指で撫で、呟く。


「綺麗」


 目の前にあるのは、フィリア達強化人間用に開発された追加兵装。

 自前のアーマーへの接続作業を終えると、そのデキに思わず見比べてしまう。

 見惚れていると、後ろからサーバルの声が響く。


「フィリア、そろそろ俺達も出撃だ」

「あ、はい」


 振り向くと、サーバルはマキナから渡されたショットガンをコッキングした。

 銃身が二つある大型のモデルを担ぐ彼女を尻目に、フィリアはアーマーを展開。

 追加のアーマーも装着し、マキナからの装備をチェックする。


「接続完了……やはり、第7世代型に支給されたものか、こんな物、どこで」

「……アイツらは、崩壊戦から戦場を渡り歩いてる、偶然拾っていてもおかしくない」

「そうですか」


 サーバルと話ながらチェックを終えると、二人はアーシャ達と合流した。

 先に出撃していた面々も確認でき、沈黙と言う緊張が流れる。

 そんな中で、頭に包帯を巻くファイン1が名乗りを上げる。


「これで揃ったな、ゆくぞ、命知らず共!」

『押忍!』

「腰が抜けたのなら、部屋でガタガタ震えていろ!再出撃だ!!」


 ヘルメットを被った彼に合わせるように、格納庫のハッチが開く。

 戦場の熱波と爆音が鮮明に入り込み、フィリアは背中の装備を手にする。


「サイクロプス……マスター、同胞を討つのは、心苦しいと思いますが」

「フィリア、マキナも言っていたが、遠慮せずに殺せ、それが、奴らへの供養だ」


 淀んだ声を出すアーシャは、一切見て来ない。

 そんな彼女から目を逸らしたフィリアは、武器を構える。


「……押忍」


 メイスを振るい、暴れ回るサイクロプス。

 彼等を睨みながら、フィリアは背中のランチャーの安全装置を解除。

 ファイン1からの指示を待つ。


「出撃!!」

『ヲオオオ!!』


 彼の声と共に、アーシャ達の怒号が響き渡った。

 大気すら揺らす彼らは、一斉に出撃。

 先に展開していた第二チームの救援を行うべく、戦闘体勢へ入る。


「マスター、マックスさんはどうします?」

「アイツの気配はもうここに無い、だから……雑兵もまとめて殺す」

「……押忍」


 その対話を終えるなり、アーシャは先行。

 隊列をかき分けて前に出ると、前線の強化人間とタンクへバルカン砲を向ける。


「ぶっ壊す!全部!!」


 その声は、怒りと憎しみに捕らわれていた。

 凄まじい駆動音と共に、バルカン砲が火を噴く。

 瞬時に弾の雨が形成され、強化人間部隊をハチの巣にする。

 そんな彼女を見て、フィリアは息を飲む。


「マスター、あんな」


 自分の犠牲を顧みないその戦いに、サーバルも反応した。


「あの野郎、以前の状態に戻ってやがる」

「……とりあえず、私がアーシャちゃんカバーするから、二人は二人で暴れてて」

「押忍!」

「良いのかよ」


 ケフュレスからの提案を飲んだフィリアは、サーバルと共に前へと出る。

 ランチャーを手にし、魔力と粒子を収束。

 敵アーマードナイトへ狙いを定め、引き金を引く。


「消え去れ」


 冷徹に浴びせられた言葉と共に、砲口より粒子ビームが放出。

 一瞬にして、アーマードナイトは融解し爆散した。


「良いもん貰ったな!」


 一緒に前に出たサーバルは、新調したショットガンを強化人間兵へ撃ち込んだ。

 実質倍の破壊力となった散弾は彼らに命中。

 装甲へ食い込んだ散弾は赤熱化し、爆発炎上する。


「なッ、なんだよこれ」

「綺麗に爆ぜましたね」

「凄い、けど……」


 サーバルの震えた声と共に、二人に巨大な影が落ちる。

 見上げると、そこにはサイクロプスがメイスを振り上げていた。


「アイツはもっとヤバいな!」

「退避!」


 二人はすぐさま退避するも、衝撃波が巻き上げられた砂と共に襲い掛かる。


「以前と変わっていなければ」


 飛び上がったフィリアは、サイクロプスの背後へ回り込む。

 振るわれたメイスを回避し、ランチャーを撃ち込んだ。


「(マスターの同胞であろうと)排除する!」


 粒子の塊はサイクロプスの背部に命中し、纏っているアーマーを破壊。

 衝撃でバランスを崩すのみで、撃破には至らない。

 それどころか、サイクロプスのメイスが襲い掛かる。


『ギュアアアア!!』

「ッ!今です!!」


 寸前で回避すると、展開していた地上部隊が攻撃を開始。


「撃て!撃て!!」

「くたばりやがれ!!」


 そんな咆哮と共に、地上部隊の砲撃がサイクロプスの背中を捉えた。

 戦車砲、ロケット弾、それらが背中を焼き尽くす。


『ギュ、ア……』

「先ずは一体」


 仲間の集中砲火によって、複数体のサイクロプスの内一体が沈黙。

 倒れ込む巨体を横目に、フィリアは息を吐きだす。


「ふぅ」


 時を合わせるように、フィリアの視界に高エネルギーを探知。

 赤く焼けた空を背後に、全身に力を込める。


「来るっ!」


 即座にシールドを構えたフィリアは、後方からの粒子ビームを受け止めた。

 仕込んである粒子偏向障壁でビームは拡散するも、その熱はフィリアへと襲い掛かる。


「ッ……この程度」

「フィリア!無事か!」

「はい!」


 サーバルへ返事を返すと、フィリアは地面へ足を着けた。

 煙の上がるシールドを視野に入れつつ、フィリアは進軍してくるサイクロプスを目にする。


「まだあんなに」

「チ、兄貴達はまだか!?」

「彼らが来るまで、我々が耐えるだけです、ッ!」


 サーバルと共に彼らを睨んでいると、一方からは暴風、もう一方からは熱風が吹き荒れた。

 この風たちに、フィリアは言葉を失う。


「……両翼は、派手ですね」

「ああ、けど、俺達も俺達で、派手に行こうぜ!」

「はい!」


 二人は一歩前に出ると、迫りくる敵部隊へと武器を向けた。


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