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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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臨時の補給

 ソウリュウとマキナの率いる艦隊は、防御陣形を組んでいた。

 その最中で、マキナの艦より出撃した輸送機の編隊がソウリュウに着艦。

 機体の一つより、インナースーツを着たマキナが姿を現す。


「アーシャ!アーシャはいずこか!?」


 金色の長い髪をかき分けるマキナは、周囲を見渡す。


「あ、マキナさん、久しぶりー、相変わらずお美しいねー」


 一足先にマキナの元へ向かったケフュレスは、見上げながら敬礼した。

 彼女を横目に、フィリアは口を開けたまま固まっている。


「(で、デカい、2メートルは超えてるし、圧も凄い)」

「ん?」


 とても女性とは思えない大きさに圧倒されていると、マキナの赤い目と合う。


「見ぬ顔だな……ほう、噂に聞く強化人間の新顔か」

「は、はい、フィリアと申します」

「……そうか、して、アーシャはいずこだ?」

「えっと、あちらに」


 マキナの質問に答え、フィリアはアーシャの居る方を指さした。

 格納庫の前で、彼女は大量の食事を口に放り込んでいる。

 そんな彼女の姿に、マキナは笑みを浮かべだす。


「ふ、良いな、流石は若きタイタンの戦士、闘志は再燃したか」

「……はい、そのようです」

「アーシャ!一旦食うの止めろ!マキナが来たぞ!」


 サーバルの言葉に反応し、アーシャは食べ欠けのハンバーガーを一口で食べきる。

 口元を拭いながら、彼女は怒りの目を向ける。


「……マキナ」

「アーシャ、息災のようで何よりだ、が……再会を喜ぶ暇もないな」

「ああ」


 アーシャの怒りに燃える目は、周りのサイクロプス達に向けられた。

 第二の強化人間部隊も、黒いアーマードナイト隊と共に進軍している。

 この敵を前にして、アーシャは拳を握り締める。


「で?お主は何を望むのだ?」

「……武器だ、デカいのをくれ」

「フム、良かろう、主らも来るがよい、コマンダーからのブリーフィングが始まる前にな」

「お、おう」

「はいはーい」

「……はい」


 マキナの後に続くアーシャ達は、彼女の乗って来た輸送機のコンテナへと移動。

 後方のハッチが開き、積み込まれている大量のウェポンケースを広げる。

 すると、アーシャ以外の隊員は目を輝かせた。


「フォォォゥ!貰っちゃって良いの!?これ!!」


 特に興奮していたのは、大砲のような武器を掲げたケフュレス。

 そんな彼女は放っておき、マキナは特別大きなケースをアーシャの前に置く。


「意見は色々有ると思うが、主にはこれが、似合うと思うぞ?」

「……ああ」


 重い声で返事をしつつ、アーシャはケースを開けた。

 中身は、アーシャの身長を超える大きさのガトリング砲。

 それを手にすると、鉄塊のような重さを軽々と持ち上げた。


「どうだ?謹製の30ミリガトリング砲は」


 マキナの声を聞きながら、アーシャはガトリング砲のチェックを開始。

 砲身を回転させ、引き金を引いた。

 重たい回転音と共に、鈍い振動が響く。

 この使い心地に、アーシャは笑みを浮かべた。


「……いいな」

「ソイツは対アーマードナイト戦もこなせる、重いが……お主なら問題あるまい」

「ああ、弾は?」

「ここに有る、ついでに、メイジギア用の接続パーツも用意しておいた」


 そう言いながら、マキナは弾倉と装置を提供してきた。

 すると、アーシャの肩が叩かれる。


「おい、そろそろコマンダーのブリーフィングが始まるぞ」

「あ、悪いな」


 サーバルより新しいヘルメットを受け取り、アーシャはすぐに装着。

 ディスプレイが起動。

 展開しているサイクロプスと、陣形を取っている自陣の艦隊が表示された。


『……各員に通達する、我々は罠にかかった……敵の部隊が展開済み、状況は最悪だ』


 彼の話が進むにつれて、布陣を表示した画面に切り替わった。


『……四方向に部隊を配置する我々の担当はその内の二方向だ』


 現在展開されている艦隊の陣形を中心に、区画が線分けされた。


「……つまり、四方向から突破口を切り開くって事か」


 ガトリング砲を甲板に置いたアーシャは、指の関節を鳴らした。

 彼女の気合に呼応するように、コマンダーの話が続く。


『その一つは、レッド、お前がサラマンダーで抑え込め、残りの部隊でもう一方を撃破する』

『俺は構わないが、また暴走するかもしれないぞ?』

『大丈夫、その時はまたボクが対処するから』

『……やっぱあの時の奴お前か』

『……ナインケルパー、お前はレッドとは対極の場所だ』


 レッドとナインケルパーのやり取りが入り込んだが、コマンダーは気にせずに話を続けた。


『最後の地点は、マキナの部隊が対応する』


 色分けによって担当区画が決まると、最も厄介な存在が表示される。


『現状一番の脅威は、このサイクロプスだ、対処方法は』

『それに関しては、余達が提供しよう』


 割り込んで来たマキナは、画像を添付して来た。

 表示されたのは、片腕に大型の砲台装備したアーマードナイト。


『大型レールキャノン『レーヴァテイン』アーマードナイト専用の対タイタン用の武装だ』

「何でお前がそんなの持ってんだよ」

『崩壊戦時は、我々も必要だったのだよ……』


 ため息交じりに発せられたマキナの言葉に、アーシャは言葉を失わせた。

 しかし、マキナはすぐに切り替えて話を続ける。


『だが、コイツは左腕を丸ごと取り換える必要がある、主らヴェイザーの部隊は、調整に少し遅れる事になろう』

『……了解した、こちらの技術班を使え』

『感謝する』


 一度コマンダーの大きな呼吸音が響くと、表示されていた画像は全て消える。


『……こちら動きを伝える、先ずは待機していた第二チームを展開、第一チームは補給を行い次第、直ちに出撃せよ』

『押忍!!』


 アーシャを含めた全ての隊員の声が響き渡り、戦場が再燃した。



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