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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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四面楚歌の救援

 倒れ込んだアーシャに、マックスはゆっくり近づく。

 その手にアーシャの手斧を握り、ゆっくりと振り上げる。


「……」


 両手に握られる手斧は、振り下ろされずに震えだす。

 マックスの全身が震えだし、目の色が何度も変わる。


「……あー」


 擦れた声と共に、銃声が響いた。

 両手に握られた手斧は散弾で弾かれ、手から零れ落ちる。


「アーシャァァァ!!」


 襲い掛かって来た強化人間達を退けたサーバルは、ショットガンを乱射しながら砂上を進む。

 散弾の雨から頭部を守るマックスを横目に、サーバルはアーシャへと接近。


「オラ!」


 ショットガンを彼女へ投げつけ、アーシャと手斧を回収した

 寸前でマックスの攻撃を回避して、サーバルは離脱する。


「クソ、こちらスコール2!隊長が負傷した!ッ、う、動けそうにない!」

『……スコール1をファインチームに預けろ、その後、再び強化人間部隊を対処しろ』

「お、押忍!グッ!!」


 返事と共に、サーバルへ砲弾の爆発が襲った。

 砂と爆炎に襲われるが、小脇に抱えるアーシャは離そうとしない。


「チィ!切り込みが甘かったか!!」


 襲い掛かって来たのは、サーバルが相手していた強化人間の少女。

 白い髪をなびかせる彼女は、先ほど切った個所を抑えながらロケットランチャーを乱射。


「クソ!」


 降り注ぐロケット弾を手斧で弾くも、死角から蹴りを入れられた。


「ガハッ!!」


 砂の上を転がるサーバルは、すぐに受け身を取った。

 アーシャを守る様に立ち上がり、息を荒くしながら手斧を構える。


「……一人抱えたままじゃ、無理か」


 合流地点に到着する前に、サーバルはマックスともう一人の強化人間に追い付かれた。

 二人を視界に収めつつ、サーバルは周囲へと目を向ける。

 母艦とケフュレスは、もう一隊の強化人間部隊の相手に追われている。

 近くの部隊であるファインチームも、敵の数に圧倒されている。


「……後はフィリアだが」


 頼みの綱であったフィリアへ目を向けようとした瞬間、サーバルは白い影が落ちる。


「アガアア!」

「ダ!?」


 砂を巻き上げながら、サーバル達は叩き潰すような衝撃に襲われた。

 倒れ込むサーバルはゆっくり顔を上げると、その正体が判明する。


「ふぃ、フィリア」

「さ、サーバルさん」


 顔を合わせた二人は、すぐに背を向けながら立ち上がった。

 アーシャを囲うように展開し、ドレイクとマックス達へ目を向ける。


「チ、やっぱソイツ、一筋縄にはいかないか」

「はい、そちらも、ご苦労されているようで」


 武器を構える二人の耳に、爆発音が響き渡った。

 爆心地を見ると、母艦であるソウリュウに弾幕が襲い掛かっている。


「そ、ソウリュウが」

「増援部隊、のようですね」


 気付けば、空中には敵の大部隊が展開していた。

 戦闘機は勿論の事、武装した飛行物体に乗ったアーマードナイトも確認できる。


「クソ、あれじゃケフュレスでもカバーしきれねぇ」


 次々降り注ぐミサイルの雨と、戦闘機による爆撃。

 ソウリュウも弾幕で応戦しているが、これでは轟沈も時間の問題だ。


「悪いな、こちらも急いでいるんだ、今回は、見逃している余裕もないんでね」


 ドレイクも刀を構えた事で、サーバル達も危機的状況に陥る。


「ヤバいな、これ」

「……しかし、マキナさんと言う人は、今までどうやってこんな量をさばいて」


 フィリアの言葉に、サーバルの頭の耳が逆立った。


「確かに、アイツでもこの量は……ッ!!」

「チ!遅かったか!」


 上空に感じた歪な気配に、サーバルとドレイクは上を見上げた。


 ――――――


 少し前。

 攻撃で揺れ動くソウリュウの艦橋では、次々と報告が上がっていた。


「敵の増援部隊!中隊規模です!」

「左舷被弾!第34区画の隔壁を閉鎖!消火剤散布!」

「この布陣、敵は俺達の到着を予想していたのか?」


 四方八方からの攻撃で、艦橋からでも艦の各所から火の手が見える。

 腕を組みながら仁王立ちするレイブンは、冷や汗をかきながら指示を下す。


「敵陣中央へ砲撃を集中!隊列を切り崩せ!」


 対空用の砲弾は空中の敵を撃ち落とし、砲撃も防ぎ止める。

 それでも数多くの敵を振り払う事はできず、攻撃の手は緩まない。

 弾幕を掻い潜って来た敵アーマードナイトの攻撃が、主砲の一つを捉える。


「グ!状況は!?」

「い、一番砲塔……被弾!」

「敵機、来ます!」

「何!?」


 敵の機体がモニターに映し出され、至近距離で巨大な銃口が向けられた。

 アーマードナイト用のライフル弾が何度も撃ち込まれ、隔壁に亀裂が入る。

 艦船の死角と言う事もあり、艦の砲台では振り払えそうにない。


「クソ、コマンダー!ライトニングチームはどうした!?」

「……敵の数は予想以上だ、最前線で足止めをくらっている、ヘイルチームも、航空部隊の相手に手を焼いている」

「チ、マキナとの連絡はどうなっている!?」

「試みていますが、い、未だに不通状態が続いています」

「じ、上部隔壁の強度、30パーセント低下!!」


 撤退している余裕も無く、部隊も手一杯。

 拳を握り締めたレイブンは、近くの得物に目をやる。


「……やむを得ん、俺が行く!」


 手詰まりを感じたレイブンは、近くに置いていた金棒を手にした。

 その時、頭の中に電流が走る。


「ッ……こ、この、気配は」

「……どうした?」

「管制官!上空に反応は無いか!?」

「え、えっと」


 金棒を手放し、近くの管制官に叫んだ。

 すぐに上空の反応を探りだすも、特に反応は無い。


「あ、有りません、依然として、敵機体だけが」


 報告を上げる途中で、敵の機体が真っ二つに両断された。

 その音を聞いた艦橋内のスタッフ達は、一斉に上を見上げる。


「い、一体何が」


 依然としてセンサーには何も映らず、他にも展開していた敵部隊も両断。

 機体の残骸が、雨のように降り注ぐ。


「あ、あれは」

「も、もしかして」


 事情を知る一部のスタッフ達と、レイブンは顔を青ざめた。

 緑を中心としたカラーリングの装甲を持った機体。

 彼らにとって、因縁浅からぬ存在だ。


「……シルフィード」


 目を丸めるレイブンは、上に居るシルフィードを睨む。

 彼女は近くの敵部隊をビーム刃で切り払うと、ソウリュウを守る様に展開した。


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