|オレらはモンスター!!_プロローグ/episode.アルフィース(0.祝福の少女と幸せな家庭)|
0.
仲の良い夫婦があった。
長く子供を授かれなかった夫婦だが、ついに念願が叶った。
生まれたのは女の子。
夫婦だけでなく、家に仕える人々も一緒に彼女の誕生を祝福した。
歓喜と幸福こそが少女にとって最初の光景だった。
赤子を抱く夫が言う。
「女の子だ。きっと君に似て優しく、お淑やかな子に育つだろうね!」
ベッド上の妻が答える。
「うふふ、どうかしら。あなたのようにやんちゃかもしれないわよ?」
笑い合う夫婦。彼ら家族を囲う使用人達も楽し気に言葉を交わした。
赤子はさほど泣かず、されど小さな手を懸命に動かしている。
「それで、名前はどうしようか。女の子なら……とそれも候補を考えていたね」
「そうね。いくつも考えたけど……アルフィース、かな。なんだか顔を見たら、すごくそれが良いって思ったの」
「そうか! 間違いなく天啓は大事だよ。ならばアルフィース……君はそう、アルフィースだ! ははは、僕の娘……ああ、僕と君の……大切な……命……!」
「あらあら、泣いちゃった。アルフィースはあまり泣かないのにね? あなたのお父様ってば、よっぽど泣き虫なんだわ」
「よ、よしてくれよぉ! いきなり娘にそんな風に思われたくないや。でも、だって泣いちゃうだろう。こんなに幸せなら……」
「うふふ、そうね。ああ、本当にありがとうございます、女神様……! 暖かな祝福を頂きまして、おかげで私たちはこんなにも幸せです……」
「うんうん、サレド教夫にも早く御礼したいね! ああ、アルフィースよ! お父さんがこんなにも泣くのは弱虫だからじゃないからね。きっと私は君の頼りになる父親となるから……君を護り、女神の教えを共に護り、幸せになるんだからね!」
幸せな夫婦。周りの使用人の若い女性達は代わる代わるに赤子を抱き、若い男性達はちょっと怖がりながら赤子の手を触ってみたりした。
幸せな家庭。祝福の中で産まれ、祝福によって産まれたと神に感謝された少女。
高貴なるウルスガンド家に産まれた少女、【アルフィース】。
この幸せな誕生から15年の時が経過した時。
彼女は――――――
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