幕間:見えてるあの娘に、見えない僕
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彼女に出会ったのは、僕が寺の境内でうずくまっていた時だ。
僕を『シロ』と呼び、泣き叫ぶ女の子。
突然の大きな声にびっくりしちゃって、逃げ出そうかと思ったけれど、僕の足は根が生えたみたい重くて、どうしても動かなかった。
どれくらい経っただろう。
少し大きな男の子が僕を抱き上げて、彼女へと渡した。
『……シロ。大丈夫だよ』
耳元には何度も枯れた声が降ってきた。
僕の頭から背中を、何度も何度も撫でてくれた。
なんてあったかいんだろう。
まるでお日様みたいに心がぽかぽかする。
僕は深く安心して、目を閉じた。
それからずっと、僕が傍で見守り続けているあの子。
狐色の髪のなびく、女の子。
もしもあの子に、今、この姿が見えたなら。
頭を なでなで
お耳を さわさわ
尻尾も もふもふ
あの時のように、あったかい腕で抱っこもしてもらえるかな。
いつかもし、この声に気付いてもらえたなら。
いつかもし、この姿に気付いてもらえたなら。
たとえ見えなくとも、聞こえなくとも、触れられなくとも。
それでも僕は、キミの傍で語り続けよう。
辛い時も、幸せな時も、いつまでもいつまでも、ずーっと一緒に傍に居ることを。
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