出会い7
この小説は、迂闊十臓さん(@ukatujyu)のイラストから着想を得た小説です。
迂闊さんには、イラストイメージの使用を許可していただき感謝いたします。
途中で、友軍撃墜防止措置、のメッセージとともに爆発してしまった。
原因を調べている暇はない。ならば、とパルスレーザーに切り替え、
「発射」
火器管制コンピュータに命令するが、またもや火器管制が発射不能を提示してくる。同コンピュータに友軍への武装使用禁止の解除を求めるが、エラーメッセージが返ってくるだけだ。
非常事態であれば、友軍への武装使用は許可されるよう設計されているが、どうしても言うことを聞かない。
《天使》の翼から放たれた光線は幾条かガニラのアンヘルに命中して焼こうとするが、機体表面の鏡面コーティングが活性化してレーザーをはじいていく。
「奴ら、ひょっとしてこっちのコンピュータの操作権利を奪ってる? それなら、このままでは機体操縦権まで奪われ兼ねないいわね」
さすがに武装がすべて封じられては、攻撃の手立てがない。やむなく、撤退を開始すしようと反転したその瞬間、何かにロックオンされた警報が鳴り響いた。
「このアラートはっ!」
『ガニラ……ぐっ……我らはこのま……同士討ちで壊……貴様だ……逃げ……』
ロバート隊長が発したノイズまみれの思考が飛んでくる。
四方八方からの警報に、ガニラはパニックになりそうな心をギリギリのところで抑え込んだ。
おそらく、バイコーン中隊の他のパイロットが乗るアンヘルからのロックオンによる警報だろう。
急上昇をかけて、襲ってくるミサイルを一方向に集め、後部レーザーで次々と打ち落としていくが、ガニラはその物量に唖然とした。
迎撃のレーザーに焼かれて爆発したミサイルの破片が他のミサイルに突き刺さり、誘爆すらおきるほどだ。
「うぐっ!」
ガニラは、さらに加速させながら上昇から大気圏外バーニアをも利用して反転、急下降へと移り、後続するミサイルを惑わし、衝突させて数を減らしていると、今度は味方機によるレーザーが機体腹部を焼く。
加熱したエンジンの廃熱と相まって、鏡面装甲の耐熱限界が近づいていた。
このままでは、数分とかからずに撃破されていまう。
そんなギリギリな精神状態の中で彼女は、
「くっ! 脱出するしかないかっ!」
緊急脱出スイッチを作動させた。
瞬間、コクピットがそのまま脱出ポッドとなって機体から飛び出した。
戦闘機動中だったアンヘルはその衝撃と負荷に耐えきれずに爆発、四散し、ガニラは脱出ポッドによって一命を取り留め、火星の大地へと落ちていったのだった。




