ブルーベリーマフィンとブラウニー
先日のタルトのお礼にと、メリンダさんからリラさんづてに、たくさんのタマネギをもらった。
すぐに料理に使わない分は縛って、軒下の雨が当たらない風通しのよいところに吊るしておいた。
「しばらくは買わなくていいわね」
吊るされたタマネギたちを眺めながらつぶやいて、私は次の作業に取り掛かることにした。
今日はブルーベリーマフィンを焼く。
マフィンの型を用意してから、粉類をボウルに入れて混ぜておく。
卵、ミルク、溶かしバターの液体を別のボウルに入れ、しっかり混ぜ合わせてから、粉類のボウルに注いでここからが肝心なところ。
木ベラでさっくりと切るように、練らないように。
混ぜすぎると硬い生地になってしまう。
ここで生のブルーベリーをたっぷりと混ぜ込んで、型に流し込んだらあとはオーブンで焼き上げるだけ。
バウはおすそ分けした少量のミルクをあっという間に飲み干して、おかわりを欲しげに舌でペロペロとお皿を舐めている。
「ミルクは次のが届くまで、もうないのよ」
私がそう言うと、バウは諦めきれないように、お皿をもう一度クンクンと嗅いだ。
新鮮なベリーがたくさん手にはいるこの季節は、自然とお菓子を作る回数も増える。
焼き立てを1個いただいたら、残りは3〜4日かけて食べよう。
ああそうだ、ブラウニーにもおすそ分けしようかしら。
その日の夜、いつもの小さなカップにミルクを注ぎ、マフィンを1個添える。
「ブラウニー、マフィンを焼いたの。あなたも食べてくれるとうれしいわ」
ブラウニーは家に住み着く妖精で、家事を手伝ってくれるという。
片付けのあまり得意でない私が、気持ちよく暮らせているのは、ブラウニーのおかげだと思ってる。
だからお礼にこうやって、時々ミルクを置いておく。
キッチンのテーブルの上に置いたカップが、朝になると空になっているから、きっと、そういうことなんだろう。
翌朝、庭に出るとベリーの周りが手入れされていた。
落ちた実はそのままにしておくと、腐って病気のもとになったりする。
今朝はそれが綺麗に取り除かれ、庭の隅にまとめられていた。
私はそれを見て笑ってしまった。
「マフィン、喜んでくれたみたいでよかったわ」




