3章 第五話 ディー誕生日?
本日最後の投稿です。
次回はまた妹ちゃん視点です。
少しづつ織り交ぜていきます。
今後とも宜しくお願いします。
ウマゴ馬車を飛ばす事二日。
王都から妹のいる街に戻って来た。
一日で帰るのも可能だったが、赤ちゃんもエアリスさんの体調もあったので、ゆっくり目に帰ってきた。
馬車をクラウドさんの家に前まで移動させ、ウマゴを収納する。馬車はクラウドさんの持ち物だ。
毎回、馬車を使う時は俺に依頼が来る。
個人で乗る時は馬をレンタルしてるようだ。
俺は周りを警戒してドアを開けてエスコートする。この町でクラウドさんを襲うような奴は居ないが、警戒は必要だ。
依頼も家に入るまで旅の途中だ。
ドアからはクラウドさんが飛び降りて来た。
貴族らしくない。
「ディー、早いのも良いが、もっとゆっくりで良かったぞ。書類の山と格闘なんかしたくない」
クラウドさんはそう言ってエアリスさんに手を出す。
「あなた私より、リティをお願い」
エアリスさんは、赤ちゃんをクラウドさんにお願いしたので、俺がエアリスさんに手を差し出した。
「ありがとう、ディー君」
やっぱりエアリスさんは美人だな、笑顔を素敵っす。
「お兄ちゃん、私も」
エアリスさんを降ろすと、今度はティファちゃんだ。乗る時は貴族子女らしかったけど、帰ってきて、いつもの顔に戻ったみたいだ。
クラウドさんが、「少し寄って行けよ」と言ったが、早く妹に会いたいし辞退して帰宅する。
今回は妹はお留守番だった。本当は一緒に行こうかと思ったが、前回と違いきちんとした護衛依頼だ。少し駄々こねるかなと思ったけど、すんなり納得してくれた。
「お兄様、お土産楽しみにしてます」
と言って見送ってくれたが、にいちゃんが一緒に行きたかった。あの王都は危険がいっぱいだけど
街の中心から少し離れた場所に俺たちの家がある
大きめの土地は郊外のしかなく、それでも近い場所を選んだ。
店は既に閉まっていた。
喫茶店なので、感覚的に十時から十七時までくらいで開店している。正確な時計が無い世界だから、感覚と鐘の音が頼りだ。
自宅の玄関に回り、魔道具を一旦切る。
これは鍵代わりで、俺と妹の魔力に反応してロックを解除できる。
玄関のドアを開けると、妹が抱きついて来た。
久々の抱きつきだ。
「お兄様、おかえりなさい」
妹は、抱きつきながら俺の耳元で挨拶をする。
俺も抱きしめながらただいまと返した。
妹を廊下に下ろして、俺は靴を脱ぐ。
「お兄様、着替えたら、キッチンに来てください」
妹は、パタパタと音を立ててキッチンに向かった
「夕飯でも作ってくれたのかな?」
火もナイフも扱えるようになったので、積極的に料理をするようになったが、何故爆発音と黒い煙が発生するかわからない。
「まあ美味しいから良いか」
いつもの結論に至り、着替えに部屋に戻る。
キッチンに入ると黒い煙がモクモクしていた。
普通なら火事を疑うが、これが妹の料理中の日常だ。
「お兄様は座っててください」
鍋を片手に真剣な表情で、料理をしながら話す。
テーブルの上にはいくつかの料理が置いてあった
エアリスさん達から料理を教えてもらってるみたいで、少しづつ上達している。
「ここです」
爆発音と煙が上がる中、妹は鍋を火から下ろして
皿に移し替える。
「お兄様、お待たせしました」
妹が最後の料理を持ってテーブルに着く。
王都から帰って来て最愛の妹の手料理。感激。
「さあ、食べましょう、どうぞお兄様」
妹は皿に俺の為に、小分けによそってくれた。
何だか、若奥さんみたいだ。
俺は皿を受け取り手を合わせ、いただきます。
「美味しい」
上達してると思ったが、かなり腕が上がっていた。
「そうですか、嬉しいです」
はにかみながら、嬉しそうに笑う。
俺は少し見惚れた。妹にする事では無いが、仕草や表情は、胸にくるものがあった。
いかんな。修行が足りない。感情を殺す魔法でも作った方が良いかな?禁断の魔法の一人だが、改良加えて、この感情だけ消せないかな。
前世で味わったあんな思いは二度度ごめんだ。
綺麗に皿から料理が無くなると
「お兄様、少し待ってください」
妹が冷蔵庫を開けて、箱を取り出した。
「上手く出来てると良いですが」
デザートかな?何を作ってくれたのだろう?
上手でなくてもにいちゃんは嬉しいぞ。
「お兄様、誕生日おめでとうございます」
誕生日?俺の?俺の誕生日ってまだ先だぞ?
「お兄様、前から聞いても“忘れた”とか“覚えてない”とか言ってましたが、ウララさんが今日だと教えてくれました」
そうか冒険者登録で嘘の日書いたな。元自国に少しでも分かりにくくする為に。
妹には、変に気遣いさせない為に言わなかったが、嘘の日はバレたわけか。
「やっぱり、自称の誕生日なんですか?」
妹は少し寂しそうに言った。
自称の誕生日か、孤児などの誕生日が不明な人が勝手に決める誕生日の事。もしかして、俺孤児だと思われた?妹もある意味孤児だ。
「そうだね、自称の誕生日だよ、でもラファが悲しい顔しないで、俺の誕生日だから笑って欲しいな」
「そうですね、笑います」
俺はこんな妹がいる事が、何よりものプレゼントだ。
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