3章 プロローグ
本日も宜しくお願いします。
第3章開始です。長い章にするつもりは無いのですが、頑張って書いていきます。
今後もよろしくお願いします。
ここは冒険者の国 王城。
今日は建国祭で、王自ら主催としたパーティーが開かれていた。
国中の貴族または、その家族も出席して盛大に祝う催しである。
そもそも、主流派である国王派は“パーティーをやるならパーティ組んで冒険だ!”と考える冒険バカであったのであった為、このような集まりはこの建国祭以外滅多に無い。
クラウドも家族を連れてこのパーティーに参加していた。
初めての参加、新人貴族、若いなどで軽蔑する目が多々あった。
これは、血統派と言われる血の流れを重視した古参の貴族達である。最も血の流れだけで努力もしない貴族ばかりで、主流派からは無能の集まりと言われている。
クラウドは自然と主流派に組み込まれていて、力を持つ貴族と懇意にしていた。
そんな中、主流派のトップで国の王がクラウドと話をしていた。
「クラウド、やっと年貢納めたか、全く待たせやがって、期待してるぞ、あと今度一緒にダンジョン行こうぜ!」
全く王としての威厳はなく、どこかの冒険者ギルドで会ったかのようなフランクさ。元は同じ冒険者で、お忍びで王が冒険者としてギルドに行った時に会ったのが二人の始まりだった。
「王よ。流石に少しは言葉を選びましょう」
クラウドは王に注意を促す。
「良く言った、クラウド!やはりお前は見込みがあるな」
そう言ったのは王の横に居た、国の宰相、ズ・ノー・メイセキだった。
「王のくせに全く冒険者時代の癖が抜けん、クラウドの言う通り王らしい言葉で話せ」
メイセキと王は元は同じパーティ同士で、メイセキは後衛で、全体の指揮や計画などパーティの要を担っていた。
「全くお前は昔から口うるさい。偶には良いだろうが」
「お前は偶にの言葉を覚え直せ」
メイセキも王を王と思わない口調である。
「そうだ、クラウド、お主の細君と愛娘を紹介しろ、この間は話もできなかったからな」
王に言われては、断れないクラウドは、遠くで食事を楽しんでいた妻子を呼ぶ。
本当は産後もあったし、赤ちゃんのこともあったから来るつもりは無かった妻子だが、クラウドの友人である騎士から子供を見せろの催促と世話の申し出があり、このパーティーに参加した。
「このような催しに参加させて頂きありがたく存じます」
エアリスは、元平民とは思えない見事なカーツィをする。
それを真似るティファ。
王と宰相は、動きを止めた。エアリスやティファの見事な挨拶ではなく、二人の首にかかる見事な真珠のネックレスに目が奪われていた。
「クラウド、お前どこでそれを手に入れた」
王は少し声が震えていた。
王のそんな様子に周りも騒ぐ始める。
「妻の為に、私の力(金)を使って手に入れた物です。娘のはついでと言うか、余ったので」
嘘は言っていない、ただ全てを語っていない。
「そういえばお前は、以前父の依頼で真珠を取ってきたことがあったな、同じ場所でか?」
クラウドは前王の依頼で、妻に送るブレスレット用の真珠を依頼されて、見事に大粒の真珠を3つも採取してきていた。
「そうです。同じ場所です」
王もメイセキも、クラウドに近寄り、
「「場所は何処だ、ここだけの話だ、教えろ」」
と周りに聞こえない小さな声だが、声の質はほぼ脅しであった。
「教えてもいいですが、近すぎませんか?」
王とメイセキは、クラウドに近寄りすぎて、その手の人を喜ばすほどの近さだった。
そんなクラウドの言葉を無視して、王達はクラウドを問い詰める。
もう少しで、唇が当たりのでは無いかと思うほど近づいた時、
「この国の南西、惑わしの沖です」
クラウドは必死に距離をとりながら答えた。
「「惑わしの沖だと!!」」
王もメイセキも大きな声をあげてしまった。
王としても貴族としてもダメダメである。
“惑わしの沖”
常に海流が変化して船がまともに進まないどころか、下手すれば沈没する海域であった。
船を出すのは命懸け、潜ればどこで顔を出すかわからない。過去に何人も死人を出し、採取も航海も不可能とされている。
「お前よく帰ってきたな。流石過去に若手ナンバーワンと言わしめた冒険者だ」
王はクラウドを絶賛して肩を叩く。
「うむ、クラウドには男爵でなく、子爵いや伯爵でも与えるか」
陞爵を考えるメイセキ。
いつの間にか囲まれているエアリスとティファ。
女性には憧れに近い目で、男性には高嶺の花を見る目で、エアリス達を見ていた。
この催しもダンスなどを行う社交的なものであれば、入場時からエアリス達は囲まれていただろう。
しかし今回は、何処かの酒場で冒険者が集まって、酒を交わす雰囲気に近く、一部を除き、女性の衣服など気にもしていなかった。
それが王の一言で、注目を浴びてしまった。
良く見ればエアリスのドレスは、高級シルクをさらに磨き上げたような光沢に、細かな繊細な刺繍が見て取れる。
二児の母とは思えないほどのプロポーションを惜しみなく見せるマーメイドドレスであった。
ティファも同じ生地で作ったと思われるドレスだが、可愛らしさを存分に引き出すワンピース型。
肩口と腰から下にふんだんにフリルを飾りつけられていた。
それに真珠のネックレスは鮮やかに二人を引き立てる。
女神の親子、いや、女神姉妹と称賛されていた。
ラファがいれば、間違いなく女神三姉妹だった。
流石に恥ずかしくなったのか、エアリスとティファは、クラウドにサインを送った。
「王、メイセキ様、申し訳ありません、妻子がもう限界のようで、今日はここでお暇させて頂きます」
実際エアリスは産後であり大事な時期でもあった。
王もメイセキもわかっていたので、引き留めもせず、退出を許可した。
羨望の眼差しの中クラウド一家は会場を後にした。
ただ、羨望とは違う、嫉妬に狂った目で見られているとは気がつかないまま。
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