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2章 間話 オバハン貴族 その後 後編

本日は四話で終了です。

前編は書いてあったのを引用したので少し文がおかしいかも知れません。

あと奴隷落ちの冒険者を載せるつもりです。

懐かしい人も登場させます。

今後もよろしくお願いいたします。

「おいババァ!起きろ!」

兵がオーバ・ハーンの体を蹴り上げる。


「ここは、私は、目がある。手も足も」

オーバ・ハーンは自分の手足がある事を確認する。

もちろんお腹の状況も。


「奴隷商が待ってるんだ、ババァ行くぞ」


「奴隷、私奴隷になるのね。でもこれも夢ね。

早く起きなさい私。」


「何言ってるんだ?ババァ、夢の訳あるか!

これからお前は養豚場だよ。せいぜい、いい豚産んでくれよ」


「養豚場?私が豚?あり得ない、あり得ない」


「うっせババァだ。ブーブー鳴きすぎだ、ではお願いしますよ。奴隷商さん」


「はぁ、売れないですよ。これ。養豚場でも拒否られます、慈善事業ではないですけどね」


「まあ、国からですし、今度はいい事ありますよ」


「受けた限り引き受けますよ。ただし、人として生きてませんよ。これ。」


「いいですよ、元は死刑ですから、ここにちゃんと烙印押してあります」


「では引き取ります」


奴隷商はオーバ・ハーンをひきずって馬車へ向かう。


「何ひきずってるの!貴族様の私をひきずってただで済むと思ってるの」


そんなオーバ・ハーンは石が当たり気を失う。


「一応商品なんですけど、良いですか」

奴隷商はボソと声を漏らし、オーバ・ハーンを馬車の牢屋に投げ込む。


「奴隷商さん!これよかった使ってください」


兵が持っていたのは、デカデカとオーバ・ハーンの罪が書かれた看板。


「いやー、石打ちの刑になるだろうと用意してたんですが、奴隷落ちで無駄になってしまったんですよ」


兵は奴隷商に看板を押し付けた。

奴隷商は一瞬考えて

「これ、死んでも殺しても問題ないですよね」


「ええ、この烙印がありますから」


「分かりました、と言いますか、明らかに狙ってますよね」


「分かりますよね、そう言う事です」


そう言って兵は元の場所に戻っていく。


「回りくどい事をしますね、まあ処分先も見つかったし良いでしょう」


奴隷商は馬車を走らせた。もちろん看板を掲げて、オーバ・ハーンを晒しものにしながら。




「さあ、次は誰が挑戦者だ」


「こっちは球が違うよ、あたりと爆発するぜ」


まだまだ繁盛している豚貴族的当て会場。

ちなみにクラウド一家は王都にいる間、毎日投げに来ていた。


「すいません、この奴隷新しい的でどうですか?」


奴隷商は、まだ気絶しているオーバ・ハーンと看板を見せた。


「おいこいつ、あのオーバ・ハーン元子爵か」

「すげーな、もう顔が腫れてるぞ」

「良い的だな、買うぜ、でもあんまり足元見るなよ」


口々にオーバ・ハーンの悪口を並べる。

「大丈夫です、こんなもんで」

奴隷商は、指を一本立てた。


「100万か?ちーと高くないか?」

的当ての店主は、値切ろうとするが、


「いいえ、10万です」

それを聞いた店主をはじめとした周りにいたお客からは笑いが上がる。


「元貴族様が10万だとよ」

「10万でも高くねーか」

「いやいや、これ売りもんでもねーよ」


笑い共にオーバ・ハーンを乏しめる。


笑い声に気を失っていたオーバ・ハーンが起きた。


「何よここは!早く屋敷に戻りなさい、こんなクソ平民なんかに私の美しい顔なんて見せるものではないわ」


オーバ・ハーンは起きに、すぐ怒鳴り散らす。


「奴隷商、15で買おう」

店主は静かに言い、15万ピロを出した。

「これは契約書です、サインを」


静かに進む取り引き、裏では喚き散らすオーバ・ハーン。


「では私はこれで、勿論死んでも構いませんから」

奴隷商は、オーバ・ハーンを強引に引きづり出して、地面に落とし馬車に乗りその場を去った。


痛がり、治療しろだの騒ぐオーバ・ハーン。


無言で店主はオーバ・ハーンを引きずって、的台に乗せて、足を拘束した。


「精々長生きしろや!」

店主は、オーバ・ハーンの顔面に右のストレートをぶちかました。


「的を殴るなよ、気持ちはわかるが」


同じ仕事仲間から声がかかり、店主も頭をかきながらすまんと頭を下げた。


「皆さんご覧の通り新しい的が現れました

的の名はオーバ・ハーン元子爵ですか、新たな名は、ドブス傲慢ババァ」


店主は、改めてオーバ・ハーンを紹介して、奴隷商から貰った看板を掲げる。


「こちらに書かれた罪状がこの的の事です、みなさんこのドブス傲慢ババァを退治しましょう」


店主がそう言った瞬間、周りのお客から歓声が上がり、我先に球を買い求めた。


エアリスを攫った本人と、それを買って弄ぼうとした貴族達、エアリスにとっては、最悪の人物が揃った。


歓声と罵声、そして未だ貴族かぶれしたオーバ・ハーンの悲鳴。地獄はまだ始まったばかり。




数年後

城壁外の人気のない場所。未だ晒し者にされている3匹の豚。石を投げられることも、人も来ることもない。ただ雨風にさらされるだけの物。


罵声どころか、息をしてるかも怪しい3匹の豚。

そんな豚達に一人の学者が現れた。


「安いから買ったが、これでゴブリンが反応するのか?いや逆に反応するか試すのも有りだな」


学者は、鍵を取り出して3匹の豚を台車に乗せて郊外に進み出した。

学者が連れてきたのは、ダンジョンのような洞窟の前。


「学者さん遅いですよ、帰ろうかと思いました」

声をかけたのは、いかにも術者であるとわかる男性であった。


「いやすまない、思ったより重くてね」


「これが、この国始まって以来の最低の元貴族ですか、まだ生きてたんですね」


「私もビックリですよ、こんななりですが、面白い実験になりそうですよ」


「早速やりますよ、奴隷紋承認」


「条件はこれでお願いします」


「えーと、記憶上昇、不眠、観測向上、感性向上ですか、なかなか面白いですね、ついでに忘却不可もサービスでやりますよ」


「おーありがとうございます」


「面白い結果でましたら教えてくださいね」


「勿論」


そう言って作業が進み、奴隷紋が刻印された。

奴隷紋を打たれた3匹の豚は、学者のいう通りに立ち上がった。

足が石になってようが、激痛があろうが、無理に体を動かして指示に従って歩き出す。


このダンジョンは、“ゴブリンの穴”と言われていて、ここ冒険者の国、人気ダンジョンランキングで、ぶっちぎりのワースト1を50年以上守り通している最低ダンジョンである。


理由は簡単。魔石が採取出来ない。ダンジョンではあり得ない現象であり、討伐報酬はゴブリンの死体。しかも、通常のダンジョンモンスターとは違い、男女ともに繁殖用に飼われると言う。

ダンジョン外のゴブリンと一緒であるが、このダンジョンから出ることはない。

よって被害も出ないから、誰も討伐に来ない。


誰好んで、一歩間違えれば苗床になると言うのに報酬も無いダンジョンに来るわけがない。


だがこの学者は、このダンジョンの謎を解こうとした。それで利用したのが、なかなか死なない、3匹の豚だった。

ダンジョン内に放置して、しばらくしたら回収、ゴブリンの生態などを観測して記憶したものを話させようとしたのだ。ここに悪魔が居た。


学者は入り口から10歩も歩かない場所に3匹の豚を放置してダンジョンの外から様子を伺った。


すぐにゴブリン達が現れ、3匹の豚を連れ去った。それを見た学者は、

「ゴブリンは、偏食無し。または、ゲテモノ食い」

とメモをとって街に向かって歩き出した。





ゴブリンに連れ去られた3匹の豚。

奴隷紋の効果で喋ることも出来ない。


もし喋ることが出来たら、悲鳴どころの騒ぎではなかっただろう。

10万を超すゴブリン達。しかも奇形。

目が3つある物、腕が6本ある物、足が1本のもの。あれが2本ある物までいる。他も人形ではない物まで。既にゴブリンではない。


その中で一際大きいゴブリンが、オーバ・ハーンに襲い掛かる。奴隷紋の効果でなすがままに受け入れる。気を失いたくても、失えない。体を弄る感触は必要以上に敏感になっている。挙句に、観測という名の、鮮明に見えるゴブリンの表情、忘却できない記憶。地獄である。


残りの2匹のも襲いかかるゴブリン達。

まだまだ続く地獄の旅であった。





おおよそ100年後


未だおもちゃにされる3匹の豚。

奴隷紋はもう無い。契約者が死んでるからだ。

でもここから出ることは出来ない。

なぜオーバ・ハーンが生きているかはまだ謎だが、いつかあのような学者が解明してくれるだろう。それまで壊れないおもちゃは、生き続けるだろう。

お読みいただきありがとうございます!


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