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もし、人の心が読めたなら。
正直怖くなる。
皆は私をどう思っているのか。
もし人の心が読めたなら、と考える。
そうすれば怖くなくなるのだろうかと思った。
でもそれは間違いなのだと気付く。
きっと読めてしまえば、その“恐怖”が目に見えて、本物になってしまうだろう。
少しの希望もなくなってしまうかもしれない。
読めれば読めたで、怖くなってしまうんだろう。
きっと、読めないほうが、まだラクだ。
例え小さくても“希望”があるのだから。
その希望に願いを込めることができる。
少しでも望みがなければ、あまりにもツライ。
私は結局、弱虫なだけ。
ただ、それだけだ。
あまりに弱く、
例え小さな光でも、そこに救いを求める。
それが私だ。
いや、私だけだろうか。
きっと違う。
皆、そうなんだ。
それが、“人”というものなのかもしれない――……
そう思うことで、また、私は小さな光を求めた。