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Unspoken

 

 遠かった。それは近いようで遠い夢だった。

 人生を語るうえで外せない存在。

 私と出会わなければ、あなたはきっと幸せだった。

 でもあなたと出会わなければ私は幸せになれなかった。


「……こはく」


 その声は届かない。私の声は彼女には届かない。


「え、いいのっ。私でよければ今日も一緒に食べたいっ」


 ああ、そっか。

 私に向けられていない言葉に、どこか嬉しい自分がいた。


——そうだよね。これが本来あるべき姿なんだ。


 小さなため息が、私の存在を象徴する。

 これが琥珀にとって理想的な、私の立ち位置。

 琥珀と私は、この距離が望ましい。


「……」


 でもね、思うだけなら許して。


 幸せを押し付けてごめんね。

 ただ、幸せになって。

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