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β版白雪姫物語  作者: 鹿島きいろ
34/35

そして、私は


あれから、私は療養も兼ねて、結局実家に戻ることになった。


眠れないことや、悪夢にうなされることもたまにあるけれど、しゃべれなくなっていた声もちゃんと戻ったし、エドワードに首を絞められた時にできた痣も綺麗に消えたし、だいぶ前の状態に戻ってきていると思う。


安心して戻れる場所があるというのは、本当にありがたい。昔と変わらず温かく私を迎え入れてくれた家族には感謝だ。なかなか口に出して言えないけれど...。


前と変わらない家族であったが、変化があったとすれば、それは、家族がもう一人増えていたのだ!そう、弟夫婦の間にカワイイ姪っ子が生まれていたのだ。クリスの美貌にはもちろんかなわないけれど、やはり自分の身内はカワイイ!




雲一つなく晴れ渡った空の下、家業の手が離せない弟夫婦に代わって、姪っ子と屋敷近くの草原にお散歩にきている(私暇だしね)。


白やピンクや黄色の花が、草原のあちこちでさいている。

その花の蜜をひらひらと追いかけている蝶々を、

これまたたどたどしい歩みで追いかけている姪っ子を、目を細めながら見ていたら、突然突風が吹いた。

その拍子に姪っ子の帽子が見事飛んでいき、木の枝に引っかかってしまった。


手を伸ばして、うーんっと背伸びをしたが、あと少しのところで届かない。

軽く飛び跳ねてがんばっていると、後ろからこちらに向かって歩いてくる足とが聞こえた気がした。


「待っててねー。今とってあげるから......。」



「やあ、こんにちは、お姫様。

 何か、私に手伝えることはありませんか?」





え。



懐かしい声が聞こえたが

ちょうど飛び跳ねた時に声をかけられ、タイミング悪く着地に失敗し、どしんと尻餅をついてしまった。


イタタタタ。

「私は、お姫様じゃないわ!」

と言いつつ、逆光で誰だか見えない中、手を差し伸べてくれた。


「これは、失礼!

 それでは、私のお姫様になっていただけないでしょうか、カメリア?」


見えなくても誰だかわかる愛おしい人の声。

相変わらず軽いなぁと思いつつ、

私はロビンの手を取った。




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