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女王様は最強の予定  作者: violet
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12/24

グロリアーノ王家

僅かな物音でセシルは目を覚ましたが、朝はまだ遠い、(まぶた)は開かない。



セシルのベッド脇に立ったマクシミリアンはセシルの寝息を確かめる。

良かった息をしている、セシルが穴に落ちた時は心臓が止まった。

取り返せて良かった。


マクシミリアンの唇を(ひたい)に感じる。

マクシミリアンの指がセシルの髪を撫でている。

「もうあまり心配させないでくれ、生きていてくれて良かった。」

小さな声でそう言うと隣のベッドに戻って行った。



バカ、マクシミリアン、寝れなくなっちゃったじゃない、真っ赤な顔のセシルは布団に顔を埋めて寝たふりをする。

マクシミリアン、心配かけてごめんなさい、助けてくれてありがとう。

すごくカッコよかった。

恋する乙女の身体は幼児の睡眠を必要としている。

寝れないと思っていたセシルは疲れでイビキをかきながら寝入った。



街の宿屋を早々に立ったセシル達は王宮を目指す。

リンドソーズ公爵家からの紹介状があるので、問題なく王に謁見できるだろう。

鏡は王家の所蔵であるのだ、簡単には見せてもらえないだろう。

門のところで紹介状を見せると、あっという間に謁見室に案内された。

ここまでスムーズだと反対に怪しい。

どんなことにも対応できるようにセシルはマクシミリアンに抱かれている。

「ねぇ、マクシミリアン、この王宮空気悪いわね。」

「負の感情が渦巻いてますね。陰謀や策略が多いところなんでしょう。」

二人でこそこそ話ているが、案内人には聞こえている。

「お化けの出そうなとこ嫌いよー!」

「夜まで居るつもりはありませんから大丈夫ですよ。」

あはは、と案内人が笑いだした。

「失礼しました。僕は第2王子のアルフォンスです。

リンドソーズ公爵家からは早馬で連絡が着いてましたので、お待ちしていたのです。」

ランベルトいい仕事するじゃない、と感心するセシル。

「第2王子とは知らず失礼いたしました。」

マクシミリアンがセシルを抱いたまま王子に礼をする。

「オデッセア王国から鏡を探しに来たと聞いております。

しかも魔力がとても高いとか。

オデッセア王国とは初めてお聞きする国名でして勉強不足で申し訳ないです。

僕も多少の魔力がありますので、お二人の魔力が大きいだろうとわかります。」

「いえ、有名国ではないので、今後お見知りおきくだされば。」

魔界という呼び名なら知っているでしょうが。


「ここです、父王が待っております。」

立派な装飾の扉の前で立ち止まって王子が言う。

「その突拍子もない話になると思うのですが、どうか協力を願いたい。」

この空気だ、いろいろあるのだろう。

ましてや、リンドソーズ公爵家から魔術師と紹介を受けているらしい。

扉を開けると、そこには玉座に王、王妃、皇太子とみられる人物がいた。

セシルはマクシミリアンから降りると、女王の礼をする。

「セシル・オデッセリアです。」

「マクシミリアン・ブルーノーツです。」

二人の礼は臣下の礼ではない、対等たる者の礼である。

それに気が付かないはずがない。

「オデッセリア王国から来られたとお聞きしています。」

第2王子が二人に問いかける。

マクシミリアンはセシルを抱き上げ、

「オデッセリア王国女王であられます。」

セシルは天使の微笑みで幼女の特性をアピールすると周りの空気も穏やかになる。

「なんてお可愛らしい。」

王妃がセシルに微笑む。

女性の大好きな言葉である、何度言われてもいい。

セシルの中でこの国の王家の好感度がアップしているのだが、顔色が悪くなってきている。


「マクシミリアン、なんか少し気持ち悪くなってきた。」

私は何もありませんが、セシルの魔力に反応しているようですね。」

マクシミリアンが空に印を切ると、セシルの頬に赤みがさしてくる。


「魔術師様!!」

王妃が立ち上がり、言葉を続ける。

「陛下、ずっと続いていた頭痛がなくなりました。こんなこと初めてです!」

「王妃よ、まことか!」

セシルもマクシミリアンも話が見えない、どういうこと?



「父上、私から話してよろしいでしょうか?」

王太子とみられる男性が王に確認をとって、マクシミリアンの方に顔をあげた。

「私は王太子エルンスト・グロリアーノ。

この王宮では、王女が育たないのです、私も王太子妃を出産で王女と共に亡くしました。

母である王妃も王太子妃も嫁いできた日から頭痛や耳鳴りに悩まされてきたようです。

もう何代も前からで、王女が生まれると幼児期を生き延びる者はいません。

侍女や下働きの中で症状がでるのはわずかで、ほとんどは何もありません。」

「つまりは女性が症状でるとは限らないということですね。」

マクシミリアンが確認するように聞く。

「はい、男性でも(まれ)にでるものもいます。

母たちは南の離宮ならば症状がでないと、普段はそちらで暮らしています。」

マクシミリアンとセシル達は椅子をすすめられるが、マクシミリアンが断る。


「ここでは、たくさんの方が聞くことになる、場所を変えていただきたい。」

マクシミリアンは衛兵や侍従達を気にしているようだ。

「ではこちらに。」

王太子が王と王妃、マクシミリアン、セシルを誘導する、後ろを第2王子が警護についてくる。

来客用の部屋なのだろう、華美だが、さほど広くない部屋に案内された。


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