第四話
風が暖かくなったきた頃。
いつも通り学校に行って帰って扉を開ける。
「おかえりー」
母が大きい鳥籠を持って待ち構えていた。ヴェンルは思わず声を上げる。
「見て、かわいいでしょー」
鳥籠の中には焦茶色のフクロウがいる。
普段こんなにフクロウをまじまじと見る機会はないので、なんとなく新鮮だ。それと、このフクロウには耳のようなものがついている。
「耳がついてて可愛いでしょ、ミミズクっていう種類なの」
「ふぅん」
「うちの庭にいたんだよ、ほら、あの棒に掴まってたの」
⸻
あれは、学校が休みの日だった。
ミミズクの名前は、フーちゃんに決まった。
「ほら、フーちゃん、おいで」
ぽてぽてと小さい足で近づいてきた。
母が木の棒を投げると、うまくキャッチする。
「フーちゃんは、頭いいね」
フーちゃんは言葉がわかるようで、褒めると体を上下に揺らして、ダンスを踊る。
「でしょ?フーちゃんは、お母さんが見つけた子だから頭いいのよ」
すると、見回りの兵が2人立ち止まって、こちらを見ている。
「おい、あれ……」
「魔物みたいだよな」
こちらに近づいてくる。
ミミズクが咥えていた木の棒を奪って観察する。ミミズクは首を傾げて兵を見た。
「こいつの飼い主は、あなたかな?」
と母に確認する。
「ええ、そうですが……」
兵はミミズクの耳をつまむともう1人の兵に目を合わせて小さく頷いた。
兵はミミズクをそこにあった籠に無理やり押し込んで持ち上げる。
兵はじっとミミズクを見ると、
「あなたを反逆罪で現行犯逮捕する」
母は硬直していた。
そう言った兵は書類を提示し、
もう1人の兵が手錠を掛ける。
「ぼくも、ついてきてくれるかな」
当時のヴェンルは何もわからないまま兵についていった。




