第五十五駆
「おーい、少年こっちこっち!」
一つ目の休憩所である休暇村近江八幡には寄らずに二つ目の守山美崎公園で待っていた住職が到着した僕に手を振っている。それに応えて近づき自転車を止めた。
キャンプとかで使う簡易のイスを鈴木さんが出してくれて座った。
「少年、ここまでのタイムが1時間36分53秒。
単純計算だと一区間48分くらい。
う~ん、少しペースが速い気がするけど大丈夫かい?」
自転車の平均時速20㎞、つまり一時間で20㎞と考えると12分くらい短縮している。車ではあまり感じないが自分の力で進む自転車としてはかなり身体に負荷がかかっている可能性がある。住職の心配はここだろう。
「大丈夫です。
体調も良いですし気温も思ったほど高くないので問題なさそうです。ペース的には練習できつくない速度と同じくらいでこれてますし、橋とかで道に起伏はありますけど基本は平坦な道なので進みやすいですし。」
「そうだね、今の気温は……32℃だね。
例年に比べるとあまり気温も高くないね。
まぁ、少年が大丈夫ならそれで良いよ。
一つ目の休憩所を入らなかったのはペース維持のためかな?」
走っている途中で特に理由も言わずに一つ目の休憩所を入らない旨だけ伝えていたから、住職達には移動をして貰っていた。
「すみません。思ったより人が多くてスタートダッシュで一度集団から抜けたんですけど集団に巻き込まれるとぶつかったりスピード出せなくなったりしそうだったので、集団から出た状態にしといた方がいいのかなと思いました。」
「ああ、そうだね。
ほとんどの人が一つ目で休憩に入ったみたいだね。
確かに出発の時とかに込み合いそうだね。
それで言うとここに来た人はまだ少ないから、一つ目の休憩所を出る時のような心配はないね。」
「住職、話を聞くのもいいけど休憩は15分だから水分の補給とエネルギーチャージ、あとはトイレとかもあるから。」
田中さんが言った。住職も忘れていたのを思い出したように
「確かにそうだったね。少年、とりあえずエネルギーチャージ、水分の補給、トイレは大丈夫かい?」
住職はエネルギーチャージのゼリーとスポーツドリンクを渡しながら聞いた。
「ありがとうございます。
トイレは大丈夫です。
エネルギーチャージと水分補給をしたらもう出発します。」
「了解。次は唐橋公園だけどどうする?」
「一応、休む予定ではあります。
周りの様子を見てもしかしたら通りすぎるかもしれないです。」
「OK!また近づいたら連絡するよ。」
「はい。」
しっかりと補給を終えて係員の所でタイムの再スタートを確認して貰って出発した。




