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峠を越えた世界  作者: Making Connection


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30/35

第三十駆

全員が風呂も入り、部屋着で集まっていた。

「いや~お疲れ様。」

田中さんが言い、住職が

「電動自転車でとはいえなかなか疲れたよ。

少年はどこか痛いとかあるかい?」

「大丈夫です。

今日のペースのままなら10時間で走りきれる感じですよね?」

「ペースでいうとできるけど、それも気候や当日の体調、この先の道とかも含めて絶対とは言えない。

スタート地点が違う事で難所となるだろうマキノ町の山登りのタイミングが違う。

そのためゴールできるかの点でもかなり差があるみたいだね。彦根からのスタートだと15時頃が見込まれる。

まだ暑さも残り明るさも問題ない。

スタート地点によっては自転車のライト以外にも照明器具が必要になる事もあるらしいから、全体の重量が増えたりもするけど今回はそこも心配なさそうだね。」

「でも、やっぱりきついのは変わらないみたいだね。

車で先に休憩所についてる時に色々と見てたんだけど、プロの部で出た人が大会の振り返りをしている投稿をしてたんだけど、山登りのタイミングでペースがかなり落ちたらしい。

その人の参加した大会は長浜スタートだったから夕方から日暮れにかけて山登りになったらしいんだけど、暑さも残って暗い中での走行なのと終盤での体力が無くなってきてた状態でかなりきつかったらしいよ。」

田中さんがその記事を見せてくれた。

「この人は結局、どれくらいのタイムだったんですか?」

僕が聞く。田中さんが

「8時間と42分だね。プロの一番速い人で7時間58分だったみたいだね。さすがプロだね。」

「平均時速25㎞くらいだね。そう考えると平均時速では5㎞くらいしか変わらない感じだね。

でも、走りきれる人の多さでいうとこの差もかなり高い壁なんだろうね。」

住職が言い、田中さんが

「プロの人達でも自転車から降りて押しながら登ってた人がいたらしい。やっぱりそこでの時間ロスは大きいんじゃないかな。」

「それはルール的に大丈夫なんですか?」

僕が聞くと住職が

「問題ないよ。コースを勝手に変えたり、第三者の協力で移動したりしない限りは大丈夫みたいだね。

自転車の急な故障とかで押して歩かないといけない状況やそれこそ山登りが厳しすぎて降りないと進めない人が多すぎてたから、基本的にコースからそれなければ自転車を降りる事に問題はないよ。

その分時間のロスがあるけど、そこは体力を残して走りきるかタイムを縮めるためにこぎ続けるかの選択だね。

少年は走りきる事を考えるなら無理そうな所は所々で押しながら進んだ方が良さそうだね。

まぁ、明日の感じで本番の予定をたてていこう。

「わかりました。」

こうして作戦会議が終わった。

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