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悪魔貴族譚~ノビリタス・ディアボロス~  作者: 中谷 獏天
第17章 蝗害対策と家族。
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11 蝗害。

 やっぱり、同性だから。

 と言うか、好意と性欲が直結しがちな男子を経験しているから、ですかね。


『にしても珍しい、殿下達は随分と甘かったかと』


「あぁ、ついな、理解出来るだろうと期待してしまったらしい」

『やはり同性だから、ですかね?』

『まぁ、かも知れませんが。それなりに領主の補佐も出来る程度には育っていますし、元は被害者、ですし。確かに、幾ばくか同性だから、と言う考えは。確かに、有ったかも知れませんね』


『成程』


 いつか、ちゃんと経験してみましょうかね、男子。


『カメリア侯爵、何か不穏な事を考えてはいませんか』

『何ですかそれは、人聞きの悪い』

「いや、寧ろ正しいだろう、この女騎士団設立の案もお前が出したのだから」


『いや。あ、そうですよ、あの蝗害の』

「仕方無いであろう、お前は随分と便利なのだから」

『それに、カメリア侯爵だけ、とは申していませんしね』


『貴族ぅ』

『お褒めに預かり光栄です』


 あぁ、綺麗過ぎて憎たらしいって感覚って、コレですかね。


「それで、どの様な案だ」

『いや、自分も男子になれば、少しは同性に対する同情心が理解出来るかなと』


『それは、特段、カメリア侯爵に同情心が無いとは考えては居りませんが』

「いや男性の同性への同情心って、私ら女性にしてみたら、随分と不思議に見えますからね?」


『それはルドルフも、なのでしょうか』

「あ~、どうですかねぇ、そこまではまだ話し合ってはいませんから」


「どうしたルイーズ」

『あ、はい、私自身も些か気を付けるべきかと。そう考えておりましたので』

『あぁ、2人だからこそ歪んだ感じもしますからね』


『はい』


 あぁ、どちらも、そこそこ気になる話題なんですね。


「どう不可思議なのだろうか」

『先ずは仲間意識の持ち方、ですかねぇ』


 女性が群れると、常に必ず、何処か同じ部分を探す。

 例えば既婚者かどうか、苦労しているかしてないか、同じ考えかどうか。


 対する男性群は、先ずはノリ。

 要は如何に空気を乱さないか、逸脱しないか、それから同じ部分が有るか確認する。


『それは、どちらも似た様な対応になるのでは』

『順序、それと優先順位の違い、ですかねぇ』


 男性群は、そこまで類似性を重要視しない。

 少しでも似た所が有れば、空気を乱さないなら、そこまで何かを排除しようとはしない。


 対する女性群は、類似性が多い個人、を求める事が多い。

 出来るだけ似た他人を探して、寧ろ空気が多少は読めなくても、その仲間内に居る事を許可し続ける。


 ですが、もし、明らかに違うと理解したら。

 女性群は排除、対する男性群は空気を乱さないなら、排除しない。


「成程、他に違いは有るのだろうか」

『それこそ同情の仕方や同情する部分、でしょうかね』


 同性が異性との問題が起きた場合、とします。

 男性群はご存知の通り、幾ら男に瑕疵が有ろうとも、少しでも同情すべき点が有れば同性に対して同情しがちですが。


 女性群は寧ろ、批判的。

 確かに同情を口にはしますが、結局は誰を批判するか、公正世界仮説を使い誰かの批判点に必ず目が行く事になる。


『成程』

『あ、ですがコレは観察を経ての個人的な見解、ですからね』

「向こうの、か」


『ですね、それなりに仲良くはしたかったので、観察を続けた結果。どうすれば、仲間に入れるか観察した結果、ですが。やはり無理だな、と』


「酷な事を聞くが、何故だ」

『容姿です、幾ら顔が普通でも、髪色が違うだとか髪質が違う程度で排除が起こりますから』

『あぁ、単一民族と言っても過言は無いそうですからね』


『はい、なので違いに過敏と言うより不慣れであり、本能的にも間違いでは無いかと』

「違う何か、か。ではもし、そこに異性が現れた場合はどうなる」


『男性群は、空気を乱さないかどうか、それから抱けるか抱けないか。から、ですかねぇ』


 対する女性群は先ず、どんな相手か、何処までコチラに踏み込ませるか値踏みをする。

 無意識なのか無自覚なのか、安全の為、本能から自衛行動を行う。


 ですが、ソレをしない女性も居る。

 所謂、下半身だけがおモテになる方、ですね。


『あぁ、ガードが無ければ、侵入は容易いですからね』

『ですねぇ、ココでは柵無し女、とでも言いましょうかね』

「ふふふ、柵無し女か」


 おぉ、初めて笑って頂けたかも?


『では以降、そうした方は柵無し女、と呼ばせて頂きましょう』

「流石カメリア侯爵、次の案にも期待しているぞ」


『ふぇい』


 フェレットしたくなる気持ちが分かりましたよ、アイリス様。

 だって、ぐうの音も出ない様にされるんですからぁ。




「成程、私もそう思います」

『ルドルフ陪臣ん~』


「今まで、特にそうした事を、そこまで考えた事は無いですが。はい、思い出す限りは、そうかと」


『ふぇ』


「フェレット、ですかね」

『はい、フェレットです』


『カメリア侯爵、フェレットは、そう鳴かない筈ですが』

『向こうのフェレットはこう鳴きます』

「まぁ、ですね、こう鳴く種が居ると言えば居ますね」


『なる、ほど』


 絶対、向こうのネタなのにさぁ。

 私、全然、分かんないんだよねぇ。


《あ、で、ルイーズは》

『あぁ、私達も気を付けねばならないな、と』


《私らが居るのに?》

『ですよね、気にし過ぎて意識しちゃうと、逆に引っ張られちゃいそうですし』

「ですね、もし捻じ曲がっていそうなら、もし言っても聞いて頂けないなら。私達が出て行くだけ、ですから」


《ね、リリーもサマンサもアイボリーも連れてね》

「そうなると、何段階かに分けて、警告も兼ねるべきかも知れませんね」


《あぁ、確かに》

「では先ず、サマンサ夫人から、次にアイボリー家政婦長(ヘッドハウスキーパー)。時点でリリー嬢、次に私達、ですかね」

『あれ?私は?』


《私達の中に決まってるじゃん》

『急に、ゴッソリいきますか』

「変に引き留められても困りますし」


『成程、確かに』


 万が一にも無いだろうけど。

 もし、そうなったら。


『確実に、回避すべきですね』

『けどまぁ、忠告が的外れな場合も有るかも知れませんし?』

「信じてますから、ご安心を」

《まぁ、だね》


 ココって凄い嫌な雰囲気なんだけど。

 だからか、お城が恋しかったりするんだよね。


 やっぱり家も大事みたい、Aitvaras(アイトヴァラス)的にも。


「それで、お伺いしても宜しいでしょうか、領主と2人の処分について」




 領主は2人を訴える気は無く、場合によっては、脅迫行為すらも認めるつもりは無いそうで。


 そして2人は脅迫行為、及び政策の阻害を認め。

 深く反省し、どんな償いや罰にも応じる、と。


『ですので、今回は3人を引き取り、教育。領主は女性のまま騎士として訓練を続行、その存在を知らせず、2人にも女騎士団の遠征に付き合って頂き。最終的には城にて教育を行うか、北や西に其々を引き取らせるかは、様子次第で行うべきかと』


「確かに、同性に甘い、と考えられてしまっても仕方無いとは思いますが。妥当かと」

《まぁ、若いし、人生をぶっ壊されちゃった様なモノだからねぇ》

『じゃ反対で、代案出ませんか、クローディア様』


《ふふふ、そうだね、領主を単なる庶民にするには些か惜しいですし。本心から反省し、弱点を掴めている有利な状態、ですからね》

『あぁ』


《それに重用は先ず無いかと。情に流され易い貴族、怨嗟から冷静さを失い暴走した庶民、ですから》

『はい、余程の人員不足が起こらない限り、手元に置く事は無いかと』


《いざとなれば西で纏めてお預かりしますよ、互いを罪悪感で縛れますから、扱い易いので》


 罪悪感で縛り合う。

 確かに、寧ろ一緒に扱う方が楽そうですね。


『成程、加減が難しそうですが、西なら大丈夫そうですね。クローディアス様も居ますし』

《あぁ、それはどうでしょうね。このまま、女性として、ココに定住するかも知れませんよ》


『あぁ、居心地はどうです?』

《嬉しさが込み上げている、と言うべきでしょうかね、この姿にとても満足していますよ》


 自分のあるべき性別。


「馴染む、とは、また別のモノなのでしょうか」

《それは其々かと。私の場合は寧ろ、やっと成れた、そうした気持ちが大きいですから》


 成りたい性別になれる世界。

 なら、私は、どうしたいのか。


《まぁ、まだまだ成人まで時間は有るし?》

《ゆっくりお決めになっても問題は無いかと、確かに変更は出来ますが、基本的には一生の事なのですから》

『まぁ、だねぇ』

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